2007-01-01から1年間の記事一覧

「第二回 monado nite」の告知

10/13(土)に「第二回 monado nite」をustream上で行います。 夜の9:00から開始する予定です。http://ustream.tv/channel/monado告知画像はid:kotorikotorikoに描いてもらいました。オレと本はあるんだけど、酒と女は現在調達中。 テーマとしては「Media-Me…

「薔薇の花かんむり」「動きが生命をつくる」

いつの間にかマリみての新刊が出ていて、毎度のことながら送料無料の壁に悩むことに。 今回は池上高志センセーのお力を借りて、なんとかハードルを突破。実際、超えすぎてるけど。 というかこの本、とても面白そう。 マリア様がみてる 薔薇の花かんむり (コ…

小宮正安「愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎」

ヴンダーカンマー、驚異の部屋。十五世紀から十八世紀にかけて、貴族の間で大流行した珍奇なるモノを集めて作った趣味の部屋のことである。 これまで、この手の本は大手出版社から発売されることはなく、直接行って見ないかぎりはその実態がなかなかつかめな…

Ali Project「Sympathy for the Belonephobia」

怪物王女のサウンドトラックなんだけれども、あえて「Sympathy for the Belonephobia」と書きたい。自分自身、怪物王女はろくに見ていないので、それと関連して語ることができないからだ。サウンドトラックというからには添え物としての曲という印象がどうし…

「大人の科学マガジンVol.17 テルミン」「愉悦の蒐集ヴンダーカンマーの謎」

テルミン欲しさに買っちゃいました。 わりと簡単に作れるのはいいんだけど、演奏も難しいがチューニングが難しい。音域を広くとるコツがいまいちつかめない状況です。あと久しぶりにリアル本屋に行ったので、買おうと思っていた「愉悦の蒐集ヴンダーカンマー…

ディーノ・ブッツァーティ「待っていたのは」

本書は他の短編とはわりとかぶりが少ない短編集。これでブッツァーティはほぼ攻略したと言えるだろう。ディーノ・ブッツァーティ「タタール人の砂漠」 - モナドの方へを読んだ直後に読んだせいか、非常に絶望的なテーマばかりを取り扱っている短編集のように…

ディーノ・ブッツァーティ「タタール人の砂漠」

将校である主人公は砂漠の砦に配属される。誰もその場所を知らぬ砦は、砂漠という無人の荒野に面していて、どこからも襲撃される気配がないのだが、どこかきなくさい。その異様な雰囲気に疑問を感じながらも、いつ終わるともない任務を全うしようとする。 忍…

バイリントン・J・ベイリー「ロボットの魂」

誰の命令にも従わない自由意志を持つロボットが主人公という奇異な設定でありながら、物語はわりとシンプル。それだけに主人公の苦悩に集中しながら読み進めることができた。ロボットとはいえ、親のもとから巣立って自立し、さまざまな経験をし、死や性に関…

「第一回 monado nite」

9/24の夜9時から人生初のustream放送を行いました。 「第一回 monado nite(モナドにて)」と題して美術・文学・思想なんかを絡めつつ喋り倒そうというコンセプトで、始めは「Codex Serafinianus」をメインで進めていたんですが、アドリブでどんどん脱線。気…

高山宏「超人 高山宏のつくりかた」

学魔降臨。帯にある言葉通り、高山宏の学魔ぶりを存分に味わえる一冊。 これまでの高山本とは違って、過去の足跡を辿ったり、プライベートを省みながら、その広大な高山学こと人文科学の世界を愉しく遊弋することができる。プライベートが披瀝されているとこ…

バーバラ・A・バブコック編「さかさまの世界」

車が牛を曳き、羊が羊飼いの毛を剃る。王が家臣に使え、男と女の役割が入れ替わる。そんなアデュナタという「さかさま世界」を描いた図像やお祭り、あるいは諸芸術が、いかなる文脈で語られてきたのかを分析する論文集。あるカーニヴァルでは、街一番の愚者…

ヴァニラ画廊「駕籠真太郎展 納涼不衛生まつり」

本当は先週に高山宏→シュルレアリスム展→駕籠真太郎展というコースを組んでいたんだけれども、高山宏のトークがあまりに長すぎたため、今日に繰り越しになってしまった。会場は前回と同じく銀座のヴァニラ画廊。 前回のようなお祭りイベントはなかったんだけ…

高山宏「知の系譜と人文科学の未来を語る」

「超人高山宏のつくりかた」の出版記念ということで、新宿紀伊国屋ホールにて高山宏の講演が行われた。 二時間の予定ということだったんだけど、ふたを開けてみたら二時間半、しかも休憩なし。 二時間を少し回ったあたりから紀伊国屋の人が何度も止めに入ろ…

ラフォーレミュージアム原宿「ヤン&エヴァシュヴァンクマイエル展 アリス、あるいは快楽原則」

ラフォーレ原宿で行われたヤン&エヴァシュヴァンクマイエルの企画展。夫妻のアートワークを一同のもとに眺めることができる贅沢な展示である。以前に見たシュヴァンクマイエル展に出展されていたものも多かったんだけど、更にプラスアルファという感じでボリ…

ヤン・シュヴァンクマイエル、江戸川乱歩「人間椅子」

江戸川乱歩は子供の頃から読み続けていて、特に幾つかの有名な短編は何度となく読んでいる。人間椅子にしても、再読、再々読どころでは済まないくらいだ。幾度となく映像化されている作品ではあるけれども、なかなかコレは!というものは出てこなかった。今…

庵野秀明「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」

まず始めに言っておくと、良くできた総集編というのが正直な感想だ。 エヴァといえばそのTVシリーズのクオリティの高さ故、ビデオに録っておいて少なくとも3回は見るというのが当時のファンの行動だっただろう。だからカットや演出など事細かに覚えている…

「人間椅子」「ヤン&エヴァシュヴァンクマイエル展 アリス、あるいは快楽原則」「類推の山」

またもや本がドカスカ届いた。「類推の山」は前々から買おう買おうと思っていたので、ついでに注文したもの。どれも面白そうだ。 人間椅子posted with amazlet on 07.09.06江戸川乱歩 ヤン・シュヴァンクマイエル エスクアイア マガジン ジャパン (2007/08/2…

カルヴィーノ他「現代イタリア幻想短篇集」

20世紀を代表するイタリア作家の幻想的な作品を集めた短編集。ブッツァーティ目当てで借りてきたところ、両方ともすでに読んだ作品だった。とはいえ未読だったカルヴィーノの「アルゼンチン蟻」が含まれていたので後悔はしていない。 収録作品は以下の通り。…

「シュヴァンクマイエルのキメラ的世界」「いい子は家で」

ヤン・シュヴァンクマイエルの映画制作過程ドキュメントDVD「シュヴァンクマイエルのキメラ的世界」と、青木淳吾の新作「いい子は家で」が届く。 どちらとも素敵なカバーである。 シュヴァンクマイエルのキメラ的世界 幻想と悪夢のアッサンブラージュpost…

ヤン・シュヴァンクマイエル「ルナシー」

ヤン・シュヴァンクマイエル「ルナシー」 - モナドの方へがDVD化。シュヴァンクマイエルのDVDは全部揃えてえているんだけど、すっかり忘れてて今頃購入。もう一枚「シュヴァンクマイエルのキメラ的世界」たのんでいるんだけど、そっちはまだ届かず。 それとA…

小沼純一「バッハ『ゴルトベルク変奏曲』世界・音楽・メディア」

「ゴルトベルク変奏曲」を意識して聞いたのは、ホフスタッターの「ゲーデル・エッシャー・バッハ」を読んだ後だった。そこで書かれていたように、計算され尽くしたテクニカルなメロディーは何度聞いても味わい深いものがある。最近では「時をかける少女」で…

ディーノ・ブッツァーティ「石の幻影」

ブッツァーティ「神を見た犬」 - モナドの方へでブッツァーティに見事はまったので、とりあえず全部読んでみるかということで、少しずつ攻略してゆくことにした。本書も短編集ということで「神を見た犬」といくつか作品がかぶっている。 石の幻影 本書の半分…

ALI PROJECT「Psychedelic Insanity」

ある意味、タイトル通りのカオスな仕上がり。Lunaticが青白い狂気とするなら、Insanityは極彩色の狂気になるだろうか。過去と未来、和洋中、ポップとクラシカル、すべてごちゃ混ぜにしたような雰囲気になっている。一回聞いただけだとメドレーを聞いているん…

エドワード・ハリソン「夜空はなぜ暗い?―オルバースのパラドックスと宇宙論の変遷」

夜空はなぜ暗いのか? 何言ってるんだお前は、と思われるかも知れない。 だがよく考えてみよう。この宇宙に恒星はたくさんあるし、放たれた光は何かに吸収されたとしても、いずれ放出される。そうすると夜でも真昼のように輝いていたっていいはずだ。そう言…

四方田犬彦「先生とわたし」

四方田犬彦と、東大での師匠である由良君美との関係を描いた伝記的論評。 由良君美と言ってもピンとこない人もいるかもしれないが、デコンストラクションに脱構築という訳語を当てた人物と聞けば、足を向けて寝られない人も大勢いるはずだ。その門下生も四方…

スラヴォイ・ジジェク「斜めから見る」

ラカンの理論といえば難解で知られている。それを映画や小説を通じて、わかりやすく入門しましょうというのが本書の趣旨だ。本書は、まず理論ありきで、その理論の説明をするために映画や小説などで例証しましょう、という内容ではない。映画や小説を斜めか…

ブッツァーティ「神を見た犬」

各種書評等を読んで、自分向けっぽかったので読んでみたら、大当たりだった。短編、それも非常に短いものが多く、オチをしっかりつけるというところは星新一に似ている。星新一が悪魔を登場させることが多いのに対し、ブッツァーティはお国柄のせいか神や聖…

マーシャル・マクルーハン他「マクルーハン理論」

「メディアはマッサージだ!」でおなじみ、TVの伝道師、メディア論の鼻祖、マクルーハンの論文と、それに共感する数人による論考集。 この本は1967年に「マクルーハン入門」というタイトルで出版された古い本であるが、21世紀を迎え「電子メディアの可能性…

「先生とわたし」「Self-Reference ENGINE」

最近、tumblrとtwitterのやりすぎという典型的な理由で更新が滞っている。 しかしながらtwitterで、色々と刺激をもらっていて、これはこれでいいかなと。 そんなこんなでtwitterをやっていたところ、「先生とわたし」を読めというありがたい指令を頂き、高山…

濱岡稔「ひまわり探偵局」

文芸社の良心、濱岡稔。というか文芸社の作品は濱岡稔以外は読んだことがないんだけど…… 前二作は殺人事件を扱ったものだったが、今回はほんわかムードの日常系探偵もの。ムーミンパパのようなおっとりとした名探偵と妙にノリのいい助手を主役にすえ、心温ま…