2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ピエール・メナール問題

飛鳥部勝則「誰のための綾織」 - モナドの方へがらみの話。 また「プログラマはユートピアに憧れる」 - モナドの方への冒頭で触れている話でもある。飛鳥部勝則「誰のための綾織」が出庫停止になったそうだ。 →http://www.harashobo.co.jp/tokusetsu/ayaori.…

ゴンブローヴィッチ「フェルディドゥルケ」

のばし棒があったりなかったりするゴンブロヴィッチ。 ゴンブロヴィッチ「コスモス」 - モナドの方へがあまりにも衝撃的だったので、他の著作にも手を出すことに。まず最初に「フェルディドゥルケ」というタイトルには何の意味もない。ゴンブロヴィッチの造…

佐々木正人「レイアウトの法則」

日本におけるアフォーダンス理論の第一人者。 本書はタイトルからしてデザイン、アートとの関わりを感じさせる。なので、仕事でUIなんかを考える際にも使えるかなーなんて思いながら読み進めた。ジェームズ・ギブスンのアフォーダンス理論の肌理やレイアウト…

電話

本日は二回も電話があった。なんとなく衝撃的だったのでメモ。 1回目の内容 芸術新潮(ヘンリー・ダーガー特集)はこっちで買う ついでに「心は実験できるか」も買っておく 2回目の内容 MEWのライヴに行かないか?(唐突すぎ!) 芸術新潮は売り切れていた…

三浦俊彦「ラッセルのパラドクス」

ラッセルというと、ヴィトゲンシュタインの「論理哲学論考」の序文や、フレーゲの集合論にパラドックスを発見したことで有名である。本書ではもちろんそれらにも触れられるが、タイトルにある通り、主人公はあくまでラッセルだ。 ラッセルの入門書ってのは、…

四字熟語

TV

「とくダネ」で四字熟語特集をやっていた。 ちなみに私の好きな四字熟語は「原子心母」です。 吉良パパ(アトム・ハート・ファーザー)の元ネタ。すげー邦訳。原子心母posted with amazlet on 05.10.29ピンク・フロイド 東芝EMI (2000/08/30)Amazon.co.jp で…

「プログラマはユートピアに憧れる」

美術展めぐりしてきました - モナドの方へで書いたとおり、美術展巡りをしたあとhttp://la.ma.la/blog/のmala氏と新橋のスターバックスでおしゃべりをしました。 対談というわけではなく普通のおしゃべりのため、話が散漫でほとんど結論が出てないのが残念で…

ALI PROJECT「聖少女領域」

ようやくAmazonから到着しました。 なんか、どんどんアレなジャケットになってゆくような。いや、むしろなってゆけばよいのである。最近のALI PROJECTの聞き所としては、妙にプログレッシブな間奏だ。そこで「聖少女領域」はどうかというと、あれ? なんか聞…

ユートピア憧憬

mala氏との会談(ただのおしゃべり)を録音したんですが、聞きたい人いるのかな?別にテーマを絞って話してたわけではないので、散漫なんですが、おおよそ以下のようなトピックを話しました。 剽窃と著作権 ロングテール ユーザ・インターフェース 理想を語…

美術展めぐりしてきました

国立西洋美術館「キアロスクーロ」「ローマの景観」 大丸ミュージアム「巨匠デ・キリコ展」 青木画廊「建石修志展」 HOUSE OF SHISEIDO「生の芸術 アール・ブリュット展」 その後、延々、mala氏と喋る。

国立西洋美術館「キアロスクーロ」「ローマの景観」

行くか行かぬか逡巡しつつ国立西洋美術館のページを見ていたら、なんとピラネージの「ローマ景観」が展示されてるじゃありませんか。こりゃ這ってでも行かなくちゃということで、むしろキアロスクーロはおまけ程度で観覧した。で、キアロスクーロ。木版多色…

HOUSE OF SHISEIDO「生の芸術 アール・ブリュット展」

アール・ブリュット、またはアウトサイダー・アートと呼ばれる、正規の美術教育を受けていない人々による作品を集めた美術展。 ただ美しいってだけのつまらない絵画にはない、鬼気迫るパワーがあふれているのが特徴的だ。やっぱりアール・ブリュットの大御所…

青木画廊 建石修志展「本に微睡む 或いは 紙に浮かぶ夢」

有楽町駅でmala氏と合流して、銀座で迷子になりつつ美術展巡り。 まずは建石修志の個展の会場である青木画廊へと移動。とにかく眺めているだけでうっとりできる作品の数々。 羊皮紙に描かれた鉛筆画などもあり、バラエティに富んでいる。っていうか絵描き過…

大丸ミュージアム「巨匠デ・キリコ展」

キリコの形而上絵画がずらりと並べられた美術展。ただし割と同系統の作品ばかりがならんでいるので、ちょっと飽きるかも。ポール・デルヴォーの実物を見たときも思ったのだが、だみこみが甘い。遠くから見る限りではのっぺりとした空や壁なのだが、近くで見…

訃報

ヤン・シュヴァンクマイエルの奥さんであり、共同制作者でもあるエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーさんがお亡くなりになったそうです。 ご冥福をお祈りします。

若桑みどり「イメージを読む」

若桑みどり「美術とジェンダー」(レオノール・フィニ展の講演) - モナドの方へで購入した本。サイン入りでございます。千葉大学で行われた美術史の講座を要約したもので、パノフスキーに代表されるヴァールブルク派のイコノロジーを用いて有名な絵画を解釈…

トリストラム・シャンディが映画化だって!

いろいろと調べていたところ、トリストラム・シャンディが映画化されていたことを知った。有名な監督なので、日本でも上映するかも。 タイトルは「Tristram Shandy: A Cock and Bull Story」である。"A Cock and Bull Story"とは「ばかばかしい作り話」とい…

いとうせいこう「ゴドーは待たれながら」

いとうせいこうといえば、深夜番組「虎の門」で実は一番がんばっている人だ。多才な人で、タレントとしてだけでなく、作家としても活躍している。 これまで著作を読んだことはなかったのだが、ローレンス・スターンの「トリストラム・シャンディ」やらレーモ…

澤井繁男「魔術と錬金術」

西洋思想の表側は近代哲学を抜きにすれば、もちろんキリスト教(カトリック・プロテスタント)である。しかし、この表側は底深い裏側、魔術的思想が潜んでいる。 魔術といっても、おどろおどろしい黒魔術ではなく、自然科学と言ってもいい哲学的な思想である…

彌永信美「幻想の東洋」

題名からしてバルトルシャイティスの「幻想の中世」を思わせるが、内容はむしろ「イシス探求」だ。普遍を追い求めた西洋が、東洋をどのように対峙していったのかが本書のテーマである。 まず東洋とは「西洋でない」ことを表していた。さまざまなトピックがあ…

阿部日奈子「典雅ないきどおり」「海曜日の女たち」

夢にまで出てきてしまったので、書かねばなるまい。 高山宏の著作のエピグラフとしてその詩が使われていたのが出会いで、何編か読んでいるうちに大ファンになってしまった。それから代表作「典雅ないきどおり」を必死になって探した思い出が、今となっては懐…

「夢」のコラボレーション

面白い夢を見たので記しておく。 台湾出張中の私はホテルで一夜を過ごしていた。 窓の外に友人を見かけたので、大声で呼びかけると、隣に泊まっていた椎名桔平が「うるせー」と怒鳴り込んできた。めちゃめちゃ怒っていて、訴えてやるとがなり立ててくる。告…

ブルーノ・シュルツ「肉桂色の店」

ゴンブロヴィッチのコスモスと併録されていた、ポーランドの作家シュルツの作品。 コスモスのインパクトがあまりに強すぎて、いい加減に読んでしまった。劇的なストーリーがあるわけではないが、父親がアブラムシや剥製のコンドルに変わったりする。ちょうど…

ゴンブロヴィッチ「コスモス」

どの著作だったか忘れてしまったが、西垣通がゴンブロヴィッチの「コスモス」がサイコーというようなことを書いていた。いったい何をそんなに褒めていたのかは忘れてしまったのだが、いつか読もうと思っていた。ゴンブロヴィッチはポーランドの作家だ。昨年…

ウィリアム・エンプソン「曖昧の七つの型」

20世紀初頭のイギリスの文学理論家ウィリアム・エンプソンの代表作。 エンプソンはI・A・リチャーズの弟子であり、いわゆるニュークリティシズムの流れに属する。 ニュークリティシズムというのは文学批評理論の鼻祖みたいな感じで、その後は他の批評に吸…

ヤン・シュヴァンクマイエル「GAUDIA」

ヤン・シュヴァンクマイエルによる絵画、オブジェ、スケッチ、コラージュの作品集。触覚というモダリティへのこだわりと愛が随所に感じられる一冊。視覚を触覚に結びつける、共感覚もシュヴァンクマイエルのキーワードのひとつだ。すぐれた芸術というのは、…

ニュークリと言いたくて

ウィリアム・エンプソンの「曖昧の七つの型」を読み始めました。 本質的に翻訳不能の本なので、かなりの難物です。

ロジャー・ペンローズ「ペンローズの量子脳理論」

イギリスの天才物理学者・数学者のペンローズによる量子論と意識との関わりを論じた本である。とはいってもがっちりペンローズの著作というわけではなく、インタビューや小論文のアンソロジーのような構成で、竹内薫、茂木健一郎の両名の解説も読み応えがあ…

種村季弘「魔術的リアリズム」

絶版のため以前に図書館で借りたのだが、どうしても欲しくなって古本で購入。 本日届きました。日本では数少ないノイエザハリヒカイトの世界へと誘ってくれる一冊。珍しい図版が目白押しです。目次は以下の通り。 ヴァイマールの夜の側 不気味なもの アント…

グレッグ・イーガン「ディアスポラ」

すごいなあイーガンは、もうスゴイとしか言いようがない! イーガンの長編といえば毎回そのスケールの大きさに驚かされるが、今回は最初からとんでもないスケールで始まるうえに、最後は想像を絶するところまでいってしまう。解説あるように、しょっぱな第一…