2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「解剖学の少女達」

久しぶりにその気になったので、小説なんぞを書いてみました。一年以上ぶりなのでリハビリを兼ねての執筆です。→「解剖学の少女達」(pdfとtxtの詰め合わせ)モナドロジーってアンチ・セカイ系なんじゃないだろうかと色々考え、そのへんをメモっておこうとい…

茂木健一郎「クオリア降臨」

文學界で連載されていた文学を巡るエッセイ。 いわゆるクオリア主義の立場から文学を、そして現代を批評する試みであり、これまでの著作の中でもっとも科学者っぽくない。と言っても形而上学者として振る舞っているかといえば、そうでもなく、科学のダメなと…

勝手に人力検索もなど

リファラを眺めていると、なにかを求めて検索をし、その結果、この地に迷い込んだ人たちがいる。しかし必ずしもここに答えがあるわけではない。 それでは可哀想なので、面白そうなクエリだけ勝手に調べてみました。 資生堂 アール・ブリュット 図録 google:…

ゴンブローヴィチ「バカカイ」

ゴンブローヴィッチだったりゴンブローヴィチだったりするゴンブロヴィッチの短編集。 「バカカイ」って何よ?と皆さん思うだろうが、例によって特に意味はなく。ゴンブロヴィッチの造語である。しかも「バカカイ」という短編があるわけでもない。あくまで短…

デザインフェスタ

新橋集合の後、ガネー舎でスープカレーを食べ、ハウス・オブ・シセイドウでアール・ブリュット展を二度目の鑑賞。と私のわがままコースを堪能した後に、デザインフェスタへと向かった。デザインフェスタは作品のアベレージ自体は決して高いわけではないが、…

岡崎勝世「世界史とヨーロッパ」

id:virginiaさんに勧められて読んだ本。 いまいち歴史ものというのは苦手なのだが、数ページ読んだところで、この本が世界史の本ではなく「世界史」史の本であることに気づき、がぜん、面白く感じてきた。 なるほど、これは批評理論みたいなもんなんだ。ボル…

奇談

諸星大二郎の妖怪ハンターシリーズ「生命の木」の映画化。原作が短編ということもあって、いろいろとエピソードを膨らませている。同じく妖怪ハンターシリーズの「天神様」のエピソードをもとに追加されているようだ。主にヒロインまわりの神隠しの話がこれ…

SAW2

見ていてイターイ描写が連発される、サスペンス映画。駄作になりやすい続編にしては上手くまとめられている。とりあえずは満足のでき。難点を挙げるなら、閉じこめられる登場人物があまりにも馬鹿すぎるということだろう。 実際、あの状況になったらああなる…

「芸術新潮11月号」

今週末にデザイン・フェスタへ行く予定なのだが、ついでにもう一度アール・ブリュット展を見ようと思っている。そこで、予習として芸術新潮の特集を(ようやく)読んだ。展示されている作品だけでなく、珍しい作品も掲載されているので、アール・ブリュット…

西本智実「幻想交響曲」

はじめに書いておこう、今日の主旨は「智様」を使うことにある。たまにはそういう日もあるのだ。 というわけでAmazonから智様のDVDが届いた。 演奏:チェコ・ナショナル交響楽団、指揮:西本智実。収録演目は、ヴェルディの「運命の力」序曲、ベルリオーズの…

杉浦康平「アジアの本・文字・デザイン」

主に書籍を手がけるグラフィック・デザイナー杉浦康平とアジアのデザイナーとによる対談集。 「本とコンピュータ」に連載されていた対談が収録されているためもあろうか、デジタル技術を意識した発言が多い。コンピュータにおける文字をただのコードとせず、…

アヴラム・デイヴィッドスン「どんがらがん」

「だれが定義しても異色作家」アヴラム・デイヴィッドスンの短編集。 どんがらがんな夜 - モナドの方へでも書いたが、予想通り説明することが非常に難しい小説だ。というか説明しようとすると、とたんにつまらなくなってしまう。ストーリーも設定もデイヴィ…

「秘神界」

日本人執筆者によるクトゥルー神話アンソロジー「秘神界」は英語にも訳されているそうで、どれどれと調べてみると、なんとまあ素晴らしい表紙。→http://www.kurodahan.com/e/catalog/titles/j0011.html クトゥルー神話+伊藤若冲とはなんとも粋じゃありませ…

お買いもの

古本屋で100円だったので買いました。 これ読む前に「ヴェニスの商人」読まなきゃ。 なんでみんな英語で呼ぶんだよぉ。ヴェネチアって呼べよ!ヴェニスの商人の資本論posted with amazlet on 05.11.17岩井克人 筑摩書房 (1992/06)売り上げランキング: 4,711A…

どんがらがんな夜

それは仕事帰りにラーメン屋(といっても夜は飲み屋)へ寄ったときに起きた。 ラーメンを注文した私は、注文の品が出てくるまでアヴラム・デイヴィッドスンの「どんがらがん」を読むことにした。まるで手をつけていなかったので、とりあえず巻末の編者である…

サルバドール・エリソンド「ファラベウフ」

ぶらぶらとネットを見ていたら、殊能将之の「鏡の中の日曜日」の一章を以下のように評しているサイトを見つけた。 カットアップ的な手法を驅使して、夢のなかを乱舞する光のイメージのような情景が繰り返し繰り返し現れるのですが、このあたり、何となくヌー…

スティーヴ・ライヒ「ライヒ:ベスト」

図書館でスティーヴ・ライヒのTriple Quartetを借りてきたら、ことのほか良かったので、手始めにAmazonからライヒ:ベストを購入。 クロノス・クァルテットによるディファレント・トレインズが特に素晴らしい。汽車のうなりが弦楽器と見事に融合してゆく。も…

松岡正剛の千夜千冊

かの松岡正剛がブログとwebについて熱く語っている。 とりあえず眼を通しておくべきだろう。 →http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1075.htmlテクノロジについてはさておき、ビブリオマニア的には以下の発言に注目したい。 すべてを自動検索機能や自動生成…

ピエール・メナール問題の続き

飛鳥部勝則「誰のための綾織」は盗作騒ぎの結果、ついに回収にまで及んでしまったようだ。 一時期Amazonでの急に上位にランクインしたのは面白かったが、現在は取り扱っていない。今回の発端は各種ブログや検証サイトによるネット上の言説だった。 →http://w…

大橋洋一「新文学入門」

もしもひとつだけ学問を選択せよと問いかけられたら、個人的には批評理論(文学理論)を選びたい。 それは「文学」を読むことだけに留まらず、「音楽」を読んだり、「TV」を読んだり、「他人」を読んだり、「世界」を読んだり、おおよそ人間が認識するもの…

トマス・ピンチョン「エントロピー」

ピンチョンのエントロピーは熱力学の法則を人間の心象に当てはめた小説だが、はっきり言って結構難解。 そんな中、「メタフィクション特集」のWAVE5には漫画化されたエントロピーが載っている。外薗昌也+しりあがり寿という異色コンビによる合作で、単行本…

ランダムはもうお腹一杯

最速なのができたっぽいので、とりあえず偉そうなことを書いておく。 →http://la.ma.la/blog/diary_200511070134.htmTropyに驚いたのは、Tropyすげーという人が意外に多かったことだ。 ネーミングのよさなのか、結城さんのお人柄なのか、確かにリロードはし…

「ニッポン・ヴンダーカマー 荒俣宏の驚異宝物館」

群馬県立自然史博物館にて荒俣宏プロデュースの博物展を見てきた。バロック時代の貴族達が、とにかく人を驚かすためだけに珍奇な物を蒐集したのがヴンダーカマーである。特にルドルフ二世なんかは画家や学者、錬金術師を集めて国家レベルでやっていたりする…

飛鳥部勝則「鏡陥穽」

飛鳥部勝則の初ホラー長編。 わかりやすく言えば、ふえーるミラーのお話で。最終的にはアイデンティティの問題までいきついてしまう。ミステリー的な要素もちょっとだけある。 鏡狂いでもあるボルヘスの話がふんだんに引用されており、形而上学的な鏡の使用…

デイヴィッド・J・チャーマーズ「意識する心」

ようやく読了。予想以上にハードで時間がかかってしまった。 正直、ちょろっと心脳問題を勉強したいんだけど、という気軽な感じで読める本ではまるでない。特に第二章はほとんど分析哲学なので用語の定義をしっかり追っていかないと、すぐにわからなくなるの…

Amazon なか見!検索

Amazon.co.jpでもついに書籍の全文検索ができるようになった。ただし、すべての書籍が対応しているわけではない。 →Amazon なか見!検索いろいろな応用が思いつくが、本を調べるというだけじゃなく、文章の用例を探すときとかにも使えるんじゃないだろうか。…