2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ロバート・チャールズ・ウィルスン「時間封鎖」

昨年話題となったSFを今更ながら読了。 地球全体が巨大な黒い膜に覆われ、その外の世界は1億倍のスピードで時間が流れている、というシチュエーションから始まる。次々とアイデアが展開されると言うよりは、人間ドラマを交えながらじっくりと。またそのア…

J・G・バラード「クラッシュ」

自動車の多重衝突事故が超スローモーションとして描写され、それが性的なイメージとマッピングされる。ストーリーなどより、その奇妙な照応が緻密な筆致で執拗に描かれることに戦慄するだろう。 SFでもなんでもないストーリーではあるのだが、クラッシュシ…

飯田隆「クリプキ―ことばは意味をもてるか」

手軽に読めるわりに内容の詰まった哲学のエッセンスシリーズの中でも、どちらかというとマイナーな哲学者を扱った一冊。 クリプキのそれもウィトゲンシュタイン解釈にテーマをしぼり、言語や記号の意味についての面白い考察を紹介している。あらゆる言葉は、…