2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

アーサー・C・クラーク「幼年期の終り」

とりあえず古典も押さえておかないとということで読んでみた。 うーむ面白い。確かにこれは古くならない普遍的な作品である。現代のSFにもある壮大未来ヴィジョン系の元祖ということになるのだろうか。読んでいる間に、色々な漫画や小説が連想させられた。…

入不二基義「ウィトゲンシュタイン 「私」は消去できるか」

薄い割にはまとまりがよいシリーズ・哲学のエッセンス。ウィトゲンシュタインというよりは入不二センセーということで手に取った。このシリーズは入門書ということなのだが、本書は「ウィトゲンシュタイン」も「論理哲学論考」も知らない人がいきなり読むの…

フィリップ・ドゥクフレ「SOLO」

母親の付き添いで見てきた。本当はダンスなんだけど、カテゴリをもうけるのが面倒だったので「演劇」で。「SOLO」というタイトル通り、ドゥクフレ本人が1時間以上にわたって一人で公演を行う。しかもセットや小道具もほとんどなく、使うのはカメラと照明く…

ヤン・シュヴァンクマイエル「ルナシー」

端的に言うと、精神病に悩む男がサド侯爵めいた男にたぶらかされつつ解法療法を受けるという話。 これまでのシュヴァンクマイエル映画の中では、台詞も多く、筋やメッセージもハッキリしててわかりやすい方だろう。解放された精神病棟という設定からしてドグ…

トーマス・M・ディッシュ「プリズナー」

カルト的な人気を博す「プリズナーNo.6」のノヴェライズ。といっても異色作家ディッシュなんだから、ひとひねりもふたひねりもある。 引退した元情報部員の目覚めたその村には名前がなかった。そればかりか、村人たちはひとり残らず番号で呼ばれている。本屋…

川崎敏和「バラと折り紙と数学と」

「ビバ!おりがみ」シリーズで「川崎ローズ」を知ったのは、もう遥か昔。衝動的に亜種が知りたくなったので、本書を手に取った。読んでわかったんだけど、自分が「川崎ローズ」だと思ってたのは、実はその改良版である「折りばら」だった。(下記リンク参照…

ロラン・バルト「S/Z」

バルザックの中編「サラジーヌ」を構造主義的、記号論的方法で徹底的に分析した批評の実践である。ちなみに「サラジーヌ」は本書の付録としてついてくるので、読んでない人も安心だ。どのくらい徹底しているかというと、ひとつひとつのセンテンスを精読し、…

ヤン・シュヴァンクマイエル「不思議の国のアリス」

ヤン・シュヴァンクマイエルの図案による「不思議の国のアリス」が届いた。 新作「ルナシー」が公開開始したということで、続々と関連書籍が出版されていて、にわかにシュヴァンクマイエル祭りのご様子。ファンとしては嬉しい限りだ。技法的にはコラージュと…

クシシュトフ・キエシロフスキー「ふたりのベロニカ」

ポーランドとフランスで、同じ年、同じ日、同じ時刻に生まれたふたりの少女。どちらもベロニカという名前で同じ姿形をしており、音楽の才能があった。そして先天的に心臓を患っているのも一緒。お互いの存在は知らなかったが、どこかでもうひとりの自分を感…

田中敏郎「不思議の森の裁判」

建石修志が目的で購入したモノ。 言うなれば「暗号の国のアリス」で、アリスが迷い込んだ不思議な森の住人は皆、暗号で話すのだった。 解読法と解読文は巻末袋とじにあるので、知識ゼロでも一応楽しめる。それなりに暗号に詳しい人なら、解き方の推測はすぐ…

レオナルド・シャーシャ「真昼のふくろう」

「殺しの時間」でこの作者が紹介されていたので手に取った。 イタリアの巨匠による社会派アンチ・ミステリである。 シチリア島でのある日、満員のバスの中で男が殺される。多くの人に目撃されていたにもかかわらず、その場にいた人間はすべて、そんな事件は…

西垣通「基礎情報学」

現代情報社会というような言い方をするとき、その情報とは何を意味しているのか? 実のところ、その意味は極めて曖昧である。 日ハム優勝と言ったって、野球を知らない人にとっては価値が少ないし、そもそも日本語を解さなければ価値はゼロだ。日ハム優勝と…

萩原恭次郎「死刑宣告」

最近Wikisourceなるものの存在を知った。 青空文庫にくらべるとまだまだ量は少ないが、萩原恭次郎の「死刑宣告」がすべて電子化されているのに感激したので紹介しておく。 →死刑宣告 - Wikisource私は詩はそれほど感心があるわけではない。というより「詩は…

鷲田清一「まなざしの記憶」、植田正治写真集

写真に詳しくなかったので、先日の「美の巨人たち」で初めて植田正治を知った。これはすごいということで、早速、図書館から借りてきた。 「まなざしの記憶」は鷲田清一による植田正治の写真論だと思っていたのだが、植田正治に直接触れているところは少ない…

小栗虫太郎「完全犯罪―他8編」

ひさしぶりに小栗虫太郎スレを見たところ「デスノートは寿命帳のパクリ」という書き込みを発見した(笑) http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1120106249/ そういえば寿命帳が入ってる短編集は読んでないなと思い出し、この文庫を発掘した次第。収…

Pochakaite Malko「ポチャカイテ・マルコ」

POCHAKAITE MALKO「LAYA」 - モナドの方へ Amazonユーズドで売り出されていたので、ついつい購入。 このころは壷井氏がメンバーにおらず、ヴァイオリンはゲストミュージシャンによるので、 弦の旋律はちょっと弱め。それでもキメラ的な変態さは相変わらずで…

ロバート・J・ソウヤー「スタープレックス」

スペースオペラのプリンアラモード。大ネタ小ネタが盛りだくさん、おいしいとこ取りである。 実はこの手のスタートレック的なSFはあまり読んでいなかったので、ちょっと慣れるのに手間取ってしまった。けれども一度その世界観に没入できると、文字通りハマ…

プログレCD150枚をネット経由で自動連続試聴

プログレ通販でおなじみのMusic Termが自動連続試聴できるプレイヤーの提供を開始した。 プログレCD150枚をネット経由で自動連続試聴 - POSEIDON Daily Newsとりあえず流しっぱなしにして、気に入ったら買うことができるのでかなり便利。単なるwebラジオとし…