アーサー・C・クラーク「幼年期の終り」

とりあえず古典も押さえておかないとということで読んでみた。
うーむ面白い。確かにこれは古くならない普遍的な作品である。

現代のSFにもある壮大未来ヴィジョン系の元祖ということになるのだろうか。読んでいる間に、色々な漫画や小説が連想させられた。
ストーリー展開にちょっと本題とは逸れた雑味が感じられたけど、オーバーロードの正体が徐々に明らかになる様はワクワクさせられる。
本書のテーマは人間の変質、人間より上位の存在、より高次なるものへの探求。この発想はやはり「存在の大いなる連鎖」のような巨大な思想の流れのなかで生まれていったものだと思われる。東洋思想の潮流からは生まれてこない発想だ。
そういう意味でもバリバリのSFというよりは、西洋幻想文学の大系に属する名作と言えるだろう。

読んだのはこっちのハヤカワの方。

東京創元社からもでてるのか、「地球」が余計な感じ。

余談

まったく関係ないが、いまだにオーバーロードとオーバーライドがごっちゃになる。