Ali Project「Sympathy for the Belonephobia」

怪物王女サウンドトラックなんだけれども、あえて「Sympathy for the Belonephobia」と書きたい。自分自身、怪物王女はろくに見ていないので、それと関連して語ることができないからだ。

サウンドトラックというからには添え物としての曲という印象がどうしてもある。しかし、このアルバムは良い意味で裏切られた。単独で評価しうるに足るまとまりがあって、完成度の高いアルバムに仕上がっている。「Avenger O.S.T.」も素晴らしかったが、ひとつの世界観の構築という意味では、今回の方が上だろう。

まずもってその楽曲タイトルがすこぶる秀逸。タイトルの羅列を眺めるだけでも、ごはん三杯はいける。

01 逢魔ヶ恋(Bloody Baptisma)
02 サスパンデュー乙女
03 地獄の吸血パレード
04 血塗れ野獣舞曲
05 サトゥルヌスの惨劇
06 舞踏蜘蛛ミッドナイト
07 インソムニアの夢ギロチン
08 王的血族(vocal)
09 撲殺ロック
10 逢魔ヶ恋(Hieronymusic Vibration)
11 ベロネフォビアに捧げるバラッド
12 三日月の怪物庭園
13 時計仕掛けの聖母像
14 破戒コンダクター
15 異形のさだめ
16 鬼畜踊る深き森
17 ベロネフォビアの晩餐会
18 蝋細工ラグタイム
19 跪いて足をお嘗め(Strings Arranged)
20 逢魔ヶ恋(vocal)
21 傷口に鋏を立てて
22 さらば愛しきチェーンソー
23 終わりなき葬送曲
24 天使論者のセレナード
25 蕩う光、或はその熱り
26 覚醒ベロネフォビア
27 666番目の原罪
28 宿命に抗いしもの
29 全滅墓場より愛をこめて
30 BLOOD QUEEN(TV size)Song by 美郷あき
31 跪いて足をお嘗め(TV size)

vocal曲はOP、EDを除くと「王的血族」「逢魔ヶ恋」の二曲だけだが、他にもコーラスとして歌声が入っているモノもあり。インスト曲の中にも、歌モノの原曲となっていると思わしい曲もあったりして、ファンとしては嬉しい限りだ。

メインテーマとなっているキーワード「ベロネフォビア(先端恐怖)」に思いを巡らすだけでなく、詩的なタイトルを深読みしつつ楽曲に酔い痴れる。そんな楽しみが味わえる一枚である。