2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Shibuya.js

観劇の後、Shibuya.js Technical Talk #2へ。 いろいろ勘違いして、1時間以上前に会場についてしまった。誰もいねーよ。 谷川渥の本を読みながら待つ。講演がはじまると3時間があっという間。 id:brazilさんが、カルヴィーノを引用しているあたりで、ニヤ…

ルームルーデンス「身毒丸」

誘われたので、三軒茶屋にて観劇。 音楽、演出、演技等はおおむね楽しめたんだけど、ひっかかったのが脚色された部分。ソフォクレスの「オイディプス王」とラシーヌの「フェードル」が部分部分に織り込まれていて、要するに母と子の物語なんだよというのを強…

ガルシア=マルケス他「エバは猫の中」

ラテンアメリカ文学の精鋭を集めた短編集。これでもか!とばかりの豪華な面子である。 収録作は以下の通り。 アランダ指令官の手 アルフォンソ・レイエス 波と暮らして オクタビオ・パス 犬が鳴いてないか ファン・ルルフォ 生活費 カルロス・フェンテス カ…

Ali Project「.hack//Roots O.S.T.」

「Silly-Go-Round」を除いては、全曲Ali Project。 1.GOD DIVA 2.from midst of town 3.young knight and priestess 4.indian summer 5.little reliance 6.in The World 7.friendly like in a childhood 8.be elegant 9.白堊病棟 10.indulgence 11.shining o…

ローレンス・スターン「トリストラム・シャンディ」

「トリストラム・シャンディ」の岩波文庫版が7月に復刊だそうです。おめでとう! 岩波文庫と同じく朱牟田夏雄が訳した筑摩世界文学大系のものを持っているので、文庫版を買うかどうか悩むところ。 しかし、おめでたいので、古本屋で綱島窈の訳による八潮出…

ジャン・リュック・ナンシー「私に触れるな―ノリ・メ・タンゲレ」

ノリ・メ・タンゲレとは復活したイエスがマグダラのマリアに向かって言い放つ言葉である。すでに死んでいるのだが、まだ天上の人間にはなっていないので、触れてはならない、という解釈らしい。復活したイエスが園丁の姿で現れる(そのためマリアはすぐにイ…

アリス・W・フラハティ「書きたがる脳」

書きだしたら止まらない「ハイパーグラフィア」*1 書きたいのに書けない「ライターズ・ブロック」 自らこの両方の症状に苦しんだ著者が、脳科学と人文科学の両面から人間の書きたがる脳の秘密に迫ってゆく。ちょっと読み始めるとすぐにわかるとおり、誰もが…

パゾリーニ「アポロンの地獄」

オイディプス王の映画化である。モロッコの乾いた大地のロケーションが美しい。 ラストでいきなり現代になったりとか、奇抜な演出も見所だ。 わりと原作に忠実なため、かえって説明が省かれていたりしている。なのであらかじめ原作を読んでおいた方が理解が…

Uz Jsme Doma「Unloved World」

「鱈の皮下脂肪撲滅同盟」「紅薔薇刑」 - モナドの方へが妙に気に入ったので、Uz Jsme Domaを3枚ほど頼んだ。でも来たのはこのアルバムだけ、他はいつ入荷になることやら。気長に待ちます。どれも同じような気もするけど、割と快楽的に聞けるので、これはこ…

乙一「銃とチョコレート」

最近、なりを潜めていた乙一、っていうかジョジョのノベライズはどうなってるの?と問いつめたいところだが、期待しているので、迷わず購入。久しぶりだけあって、力がこもっている。子供向けといってもまったく手抜かりのない作りだ。いや、世界観や伏線の…

大坪砂男「天狗」

短く、凝った文体で描かれた奇想の世界。 あとがきを読むとわかる通り、この作者の文章への偏愛は常軌を逸している。 「天城峠のトンネルを抜けると南伊豆の秋空はくっきりと青く光っていた」という文章にある4つの「と」を3つに減らそうと一晩中がんばった…

「華氏451」「欲望」

最近、昼休みに実家から適当に持ってきたビデオを分割で見ることにしている。三日くらいで一本という勘定。 トリュフォー「華氏451」とペドロ・ラザガ「欲望」を見た。昔の映画って面白いね。ちなみにペドロ・ラザガの「欲望」(原題:EL LADRIDO)は劇場未…

鷲田清一「ひとはなぜ服を着るのか」

ここ半年くらいずっとチェックしているブログがある。 →Digressions ここで唯一信頼する哲学者として紹介されているのが「鷲田清一」である。小難しいことで有名な現象学や、ファッションの研究をしている人らしい。高山宏が好きな人の言うことは盲目的に信…

「カルティエ現代美術財団コレクション展」

巨大な目玉見たさにカルティエ現代美術財団コレクション展に行ってきた。 →http://artgene.blog.ocn.ne.jp/plus/cat4425747/しかめっ面して見る現代美術というよりは単純に楽しめる作品が多く、普段アートに触れてない人でも気軽に鑑賞できる。また深く考え…

ジーン・ウルフ「デス博士の島その他の物語」

未来の文学第二期の一冊目は、第一期に引き続きジーン・ウルフ。相変わらず、とばしている。 巧みなロジックで組まれているので、気軽な感じで読めないのは「ケルベロス第五の首」と同じ。ガッツリ取り組む必要がある。やはり表題作が短いながらも素晴らしい…

手術台の上のミシンと蝙蝠傘が出会っちゃう件

あまりにもexite翻訳が面白いので、試してみずにはいられなかった。 →革命の日々! 中国語でハードディスクはなんというかとりあえずシュールレアリスム詩を書いてみる。 タイトルはズバリ「シュールレアリスト」。 「シュールレアリスト」アンドレブルトン…

木原善彦「UFOとポストモダン」

UFOは実在するのか?という内容ではなく、UFOやエイリアンという現象がどのようにして生まれ、社会に浸透していったのか。その時代の背景とともに探ってゆくという、いわゆるカルスタ的な本。 タイトルにもある通り、ポストモダン時代の分析であるので、引き…

「銃とチョコレート」「ブックスタンド」

乙一「銃とチョコレート」がAmazonから届く。ついでに「ブックスタンド」を買ってみた。使いかってはしばらく使ってみないと……という感じ。最悪、本を飾る台として使えばいい。なにげに売れてるな。 銃とチョコレートposted with amazlet on 06.06.04乙一 講…

ジョージ・G・スピーロ「ケプラー予想」

コマネチ大学数学科でも登場した、充填問題。球を効率よく詰め込むにはどういう並べ方が一番よいか? 約400年前、ケプラーは果物屋でのみかんの積み方が一番だと予想した。しかし、それが数学的に厳密に証明されたのは1998年のことだった…… 一応、証明された…

青木淳悟「四十日と四十夜のメルヘン」

凄い凄いという噂の青木淳悟のデビュー作。表題作「四十日と四十夜のメルヘン」と「クレーターのほとりで」の二編が収められている。 ピンチョンが現れた!と評されてもいるが、それほどピンチョンに詳しいわけではないので、ちょっと比較はできない。雑多な…