美術

東京都美術館「プラド美術館展」

ティツィアーノ、エル・グレコ、ルーベンス、ベラスケス、ムリーリョ、ゴヤ……と豪華な布陣でお出迎え。 お目当てはやっぱりベラスケスです。荒木飛呂彦がもっとも尊敬する画家、ベラスケスです。洋画のメッカとでもいうべきスペインの絵画が山のように見られ…

宮島達男展 「FRAGILE」

原美術館にあった作品が綺麗だったので、ちょっと見てみるかと、足を伸ばす。会場は、谷中SCAI THE BATHHOUSE。上野から歩いていったら、なにげに遠い。 バウハウスかと勘違いしていたら、バスハウス=銭湯だった。建物も変で良い。発光ダイオードのカウンタ…

エコール・ド・シモン人形展

新宿の紀伊国屋で開催されているエコール・ド・シモン人形展へ。 人形というのは、他の美術作品よりも個性が出やすいのだろうか、本当に十人十色。先生も同じで、どれも基本的には球体関節だというのに、これほど違いがあるのは驚きだ。 なので、個々の人形…

「ひいなのユメ」

洗足池を望みながらギャラリー・ラ・ボルメにて開催されている人形展へ。 金子國義などがたくさん飾ってあったり、人形やアンティークの本がうずたかく並べられていたりと、とてもよい雰囲気。あまりにも可愛らしかったので、リリィを買ってきました。ふわふ…

「鴨井玲画集」

みなさま、ごきげんよう。 さて最近気になっていたのが鴨居玲という画家です。別に名前が萌えな感じだから、とかそういう理由じゃありませんよ。念のため。黒い感じがたまらなかったからです。というわけで玲さまの画集を図書館から借りてまいりました。(こ…

東京都美術館「ニューヨーク・バーク・コレクション展」

バーク・コレクションとは、メアリー・バーク夫人が半世紀にわたって収集した珠玉の日本美術コレクション。それらがニューヨークから里帰り。 縄文土器から江戸後期の作品まで、100点以上も揃っている。目玉としては、若冲、蕭白あたり。また金屏風が恐ろし…

原美術館「オラファー・エリアソン 影の光」

実はよく知らないアーティストなのだが、面白そうだなというのと、一度、原美術館へ行ってみたかったというのもあってGO。 光を使ったインスタレーション、部屋丸ごとアート空間になっている作品が体験できる。非常に気に入ったのが、単色光の部屋。この部…

「秘神界」

日本人執筆者によるクトゥルー神話アンソロジー「秘神界」は英語にも訳されているそうで、どれどれと調べてみると、なんとまあ素晴らしい表紙。→http://www.kurodahan.com/e/catalog/titles/j0011.html クトゥルー神話+伊藤若冲とはなんとも粋じゃありませ…

国立西洋美術館「キアロスクーロ」「ローマの景観」

行くか行かぬか逡巡しつつ国立西洋美術館のページを見ていたら、なんとピラネージの「ローマ景観」が展示されてるじゃありませんか。こりゃ這ってでも行かなくちゃということで、むしろキアロスクーロはおまけ程度で観覧した。で、キアロスクーロ。木版多色…

HOUSE OF SHISEIDO「生の芸術 アール・ブリュット展」

アール・ブリュット、またはアウトサイダー・アートと呼ばれる、正規の美術教育を受けていない人々による作品を集めた美術展。 ただ美しいってだけのつまらない絵画にはない、鬼気迫るパワーがあふれているのが特徴的だ。やっぱりアール・ブリュットの大御所…

青木画廊 建石修志展「本に微睡む 或いは 紙に浮かぶ夢」

有楽町駅でmala氏と合流して、銀座で迷子になりつつ美術展巡り。 まずは建石修志の個展の会場である青木画廊へと移動。とにかく眺めているだけでうっとりできる作品の数々。 羊皮紙に描かれた鉛筆画などもあり、バラエティに富んでいる。っていうか絵描き過…

大丸ミュージアム「巨匠デ・キリコ展」

キリコの形而上絵画がずらりと並べられた美術展。ただし割と同系統の作品ばかりがならんでいるので、ちょっと飽きるかも。ポール・デルヴォーの実物を見たときも思ったのだが、だみこみが甘い。遠くから見る限りではのっぺりとした空や壁なのだが、近くで見…

ヤン・シュヴァンクマイエル「GAUDIA」

ヤン・シュヴァンクマイエルによる絵画、オブジェ、スケッチ、コラージュの作品集。触覚というモダリティへのこだわりと愛が随所に感じられる一冊。視覚を触覚に結びつける、共感覚もシュヴァンクマイエルのキーワードのひとつだ。すぐれた芸術というのは、…

若桑みどり「美術とジェンダー」(レオノール・フィニ展の講演)

群馬県立近代美術館にて、若桑みどりによるレオノール・フィニ展の記念講演を聞いてきました。なかなか痛快な講演で、かつデンジャラス。こんなの放送できないよ!というライブでないと体験できない素晴らしい内容でした。講演の趣旨は、以下の通り。 ジェン…

レオノール・フィニ展

場所は群馬県立近代美術館。Bunkamuraでやっていたものの巡回展である。どんな人かというと…… レオノール・フィニ(1907-1996年)はアルゼンチン人の父とイタリア人の母のあいだに、さらにその先祖にはスペイン、ヴェネツィア、スラヴ、ドイツ、ナポリといった…

小山田二郎展「異形の幻視力」

場所は高崎市立美術館。以前、東京ステーションギャラリーでやっていたものの巡回展である。実は小山田二郎についてはまるで知らなかった。日本におけるシュールレアリスムの画家であり、瀧口修造に見いだされ、海外の真似事でない独自の境地まで行った数少…

東京国立近代美術館(アジアのキュビスム展)

まずはピカソとブラックがお出迎えしてくれる。だがメインはアジアだ。面白いことに、展示空間もキュビスム的に構成されている。個人的にはキュビスムというと、あの独特の暗さが好きなのだが、インドとかインドネシアとかの作品は妙に明るくてどうもなじめ…

東京国立博物館

うーむ、またもや千手観音に見入ってしまった。 前回から一ヶ月程度しか経っていないのに、展示内容もかなり変わっていて、非常に楽しめた。 今回は、東アジア館も回ることができた。中国の石彫怪獣がとてもラブリー。 →東京国立博物館 - コレクション 名品…

ファブリツィオ・クレリチ(「クリエイション9」)

Fabrizio Clerici、クレリッチだったりもする。 衝動的にクレリチの画集が欲しくなって、いろいろ検索したところ、とりあえず日本で手に入りそうな本がこれだけだった。そして速攻注文、本日届きました。表紙からクレリチだ! 本書に収録されている画家は以…

アウラを感じたい

美術館でいろいろとパンフレットをもらってきた。あれも行きたい、これも行きたいという感じ。なんだかんだいって本物を見るというのはいいものである。とりあえず行きたいところを表にした。 場所 展示内容 期間 東京国立美術館 北斎展 10/25〜12/4 国立西…

実世界プログラミング(佐藤雅彦研究室展)

前回訪れたときは日曜休館の憂き目にあった、そのリベンジ。基本的には以前NHKの特番でやっていたことが展示されていた。地下で上映されていた映像特集Bでは、特番でやらなかったプロトタイプのような実験的なものも見ることができた。「フィルムの自由…

曲線と直線の眩暈(曾我蕭白)

初めて東京国立博物館である。広すぎて泣きそうになった。 郡仙図屏風どこにあるのー、と本館を探し回ること1時間。結局わからず、係員に聞いたところ、平成館にあったのでした。しかも小さな特別展示室にあるのでわかりにくい。 で、ドキドキしながらご対…

絵画内リアリズム(ギュスターヴ・モロー展 )

渋谷、bunkamuraにてモローとご対面。 モローと言えば一角獣、そしてサロメ。その両方が拝めるのだからウハウハである。個人的に見たかったスフィンクスは習作しかなかった、残念。 モローの絵は大きな絵も小さな絵もぼんやりしている。遠くから見ても近くか…

超世界の麗人像(セルジュ・ルタンス展)

会場は銀座のハウス・オブ・シセイドウ。カーテンに仕切られた、まるでお化け屋敷のような真っ暗な通路の奥にセルジュ・ルタンスの美人像がスポットで妖しく光っていた。セルジュ・ルタンスの作品は資生堂のCMを通して誰しも一度は見ているはずだ。自分が…

Luigi Serafini「CODEX SERAPHINIANVS」

日本語なら、ルイジ・セラフィーニ「セラフィーニの写本」「セラフィーニ法典」になるだろうか。 Googleで調べる限り、日本でセラフィーニを紹介しているサイトはないようである。祝!初紹介。 セラフィーニはイタリアのシュールレアリスム系の画家だ。彼の…

佐藤雅彦研究室展

小旅行をして参りました。 まず新橋で集合して、ギンザ・グラフィック・ギャラリーへ。 意気揚々と向かったところ、……日曜・祝日は休館…… みんな、すまんかった。_| ̄|○仕方ないのでアップルストアを見て回りました。 Mighty Mouse面白い。でも脇の感圧ボタ…

奇想の画家、伊藤若冲

日記なのに堂々と一昨日のことを書く。(忘れてただけ) 土曜日に図書館へ行き、伊藤若冲大全を眺めた。若冲の魅力ってなんなんだろう、そんなことを考えながら。西洋画は好きだけど、日本画は別に興味ないという人は多いと思う。かくいう自分がそうだった。…

ノイエ・ザハリヒカイト(Sergiusz Michalski「New Objectivity」)

種村季弘が「魔術的リアリズム」「迷宮の魔術師たち」(いずれも絶版)等で紹介しているNeue Sachlichkeit(ノイエ・ザハリヒカイト)の画集が届いた。英語だとNew Objectivity、日本語だと新即物主義である。 用語の正確な定義はこのへんを見ていただくとし…