絵画内リアリズム(ギュスターヴ・モロー展 )

渋谷、bunkamuraにてモローとご対面。
モローと言えば一角獣、そしてサロメ。その両方が拝めるのだからウハウハである。個人的に見たかったスフィンクスは習作しかなかった、残念。
モローの絵は大きな絵も小さな絵もぼんやりしている。遠くから見ても近くから見ても、不思議なことに同じくらいぼんやりしている。ぼんやりとした人物、ぼんやりとした背景。そのなかにハッキリと描かれた装飾品と後光がかえって不自然に浮き上がる。幻想的な空間の内では、ぼんやりとした存在こそがリアルなのだ。
漫画でも小説でも、ただ忠実に写実に書けばいってもんじゃない。その世界の内でリアルになることが大切なのだと改めて思い知らされた。

ふと思い出したのだが、FF6のラスボス(三闘神の方)はとってもモローだったなあ。