Luigi Serafini「CODEX SERAPHINIANVS」

日本語なら、ルイジ・セラフィーニ「セラフィーニの写本」「セラフィーニ法典」になるだろうか。
Googleで調べる限り、日本でセラフィーニを紹介しているサイトはないようである。祝!初紹介。
セラフィーニはイタリアのシュールレアリスム系の画家だ。彼の著書「CODEX SERAPHINIANVS」*1は読むことのできない百科全書である。へんてこりんなセラフィーニの世界を図入りで解説しているのだが、綴られている文字はすべて、紐がのたくったようなセラフィーニ語で書かれているのだ。こんな変なの見たことない!
とにかく下のリンクから絵を見てほしい。
一見コミカルな調子なのだが、見れば見るほど緻密に毒々しく描かれていることがわかる。極限までいっちゃった奇想と、それを彩るセラフィーニ語の異様さ。そこに想像力を投下すれば、新しいアイデアが浮かんでくるかもしれない。
かの振り付け師フィリップ・ドゥクフレも影響を受けてバレエを作ってしまったほどだ。
自分の世界を、自分の絵と自分の言語で表現する。ジョイスフィネガンズ・ウェイクにも通ずる夢幻世界。これぞ極めつけの奇書だと言えるだろう。

日本語で読めるセラフィーニの情報は少ない。カルヴィーノが「砂のコレクション」で一章を割いて紹介している。他にはベルポリーティ「カルヴィーノの眼」、ホフスタッターの「ゲーデルエッシャー・バッハ」(「メタマジック・ゲーム」の方だったかも)で少しだけ言及されている。
他にも情報をご存じの方がおりましたら、ぜひとも教えてください。

セラフィーニについて書かれた「幻視者の百科全書」が収録されている。

セラフィーニの絵をはじめとして、カルヴィーノが紹介した風変わりな絵が載っている。

カルヴィーノの眼
カルヴィーノの眼
posted with amazlet at 05.08.10
マルコ ベルポリーティ
青土社 (1999/03)
ISBN:4791757084

外部リンク

「CODEX SERAPHINIANVS」の非公式ウェブサイト

http://www.io.com/~iareth/codindx.html

公式サイトなんでしょうか? 絵が数点

http://www.luigiserafini.com/

Luigi Serafiniの絵が数点

http://www.geocities.com/brianmdavies/serafini/

「CODEX SERAPHINIANVS」にインスパイアされたドゥクフレ振り付けによるバレエ

http://www.chacott-jp.com/magazine/around/ny_17_2.html

*1:残念ながら絶版、プレミアがついている