2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴォルフガング・イーザー「解釈の射程」

それまで作品やら作者を中心に考えられてきた文学批評の研究を、読者を中心とした立場から分析したイーザー。これまでは「行為としての読書」しか紹介されていなかったが、ここにきて2006年の著作が翻訳された。一読して、これは一体何についての本なのかわ…

「ゴーレム100」

待ちに待った「ゴーレム100」がようやく届いた。 Amazonに予約してたら、入荷困難で発送延期と言われ、仕方なくキャンセルしたら次の日には在庫ありになってたり、わけわからん現象がおきたものの、無事入手できてなにより。 パラパラめくってみたところ、こ…

ポール・アルテ「狂人の部屋」

なんだか久しぶりにミステリを読む気がする。変な小説ばかり読んでばかりいたので、スイッチを切り替えるのに時間がかかってしまった。いわくつきの屋敷と家系、あかずの間、不気味な予言、よみがえる死者……いかにもなガジェットが満載で、そのトリックも殊…

ヴィクトル・ペレーヴィン「チャパーエフと空虚」

来ましたペレーヴィン邦訳最新作。相変わらず主人公が空虚とか意味わかんない。 すべてが空回りするスラップスティック哲学妄想漫談とでも言えばいいのだろうか。ナンセンスで空疎な会話の応酬と、緻密で哲学的な文章にノックダウンされる長編だ。舞台は1920…

「狂人の部屋」「誰にもできる殺人」

ポール・アルテ「狂人の部屋」と山田風太郎「誰にもできる殺人」が届く。 「狂人の部屋」は傑作とのことなので、楽しみ。 「誰にもできる殺人」の方は、理由は忘れたけど、あとで読むリストに入っていたので、1500にするために買ったもの。ちなみにカバーイ…

「アートで候 会田誠・山口晃 展」

この二人がタッグというのが実によかった。二人ともテクニックは一級だし、引き出しも多い。 山口晃は一見、伝統的な日本画なのだが、よく見ると現代社会のヤバさが表れている。一方、会田誠は一見してヤバイんだけど、中々考えさせられるテーマが描かれてい…

日帰り東京ツアー

宝野アリカ×小谷真理トークショウが目的で、日帰りでお出かけ。 ついでに美術展やら映画でも見ようということで、ダヴィンチ展→プレステージというスケジュールを組み始めた。しかしダヴィンチ展は最終日で混みそうというので断念。プレステージも見たかった…

宝野アリカ×小谷真理トークショウ

会場は浅草橋のパラボリカ・ビス。薄闇の中、恋月姫の新作である少年人形が横たわる部屋で行われた。 聖少女領域PV→宝野アリカ自作朗読→対談 という流れで、合計2時間ほどの楽しいイベントだった。 客層も考えてか、小谷真理もあまり小難しい話はせず、専…

エリック・スティール「ブリッジ」

映画の中では正義のヒーローの銃撃によって悪漢達がゴミのように死んでゆく。あるいは主人公の友人や仲間達が感動的な死をとげる。もちろん虚構の出来事である。 だかこの映画は違う。この映画は本当に人が死ぬ映画だ。ゴールデン・ゲート・ブリッジ、その美…

マリーア・ベッテッティーニ「物語 嘘の歴史」

ちょっと分かりにくいタイトルなので、何の本なのか理解しずらい。要するに嘘に関しての歴史であり、嘘の文化史とでも言えば通りがよいだろう。まず嘘とは何かというところから始まるのだが、この定義が実に難しい。 嘘は論理学でいうところの偽とは違う。心…

フォン・ベルタランフィ「一般システム理論」

マーク・デーヴィドソン「越境する巨人 ベルタランフィ 一般システム論入門」 - モナドの方へに引き続き、「G・S・T! G・S・T!」と言いたいがタメに読んだ本家ベルタランフィ。 うおお、難しい。「G・S・T! G・S・T!」とか浮かれてる場合じ…

パランプセストの方へ

tumblr始めました。 twitterにはのめり込めなかったんだけど、こっちはドハマリ。これはヤバイ。 →パランプセストの方へちょっとやってみてわかったことは、わりに狭い世界であるためfriend同士が繋がっていて、ひとつのpostが連鎖的にreblogされてしまうと…

蜂屋邦夫「老荘を読む」

西洋にかぶれてばかりいないで、多少は東洋思想もおさえておこうと思い、手に取った一冊。 まずその世界観を説明した後に、有名な部分を引用しながら解説するというスタイルで、一応、入門書という扱いだと思うんだけど、言葉の説明など省略されている部分も…