諸星大二郎「スノウホワイト」

面倒なので漫画の感想は書かないのだけど、諸星大二郎は思わず書きたくなってしまう。本作も「トゥルーデおばさん」に続くグリム童話翻案もの。巻末に作者による詳しい解説もあって、元の話を知らなくても大丈夫。
とりあえず気になったモノをいくつか。

奇妙なおよばれ

ヤン・シュヴァンクマイエルが映画化しそうな話。立場の逆転っぷりがシュールだ。

小ネズミと小鳥と焼きソーセージ

小ネズミと小鳥と焼きソーセージがベンチャー企業を立ち上げるという設定からしてヤバい。
プログラマである焼きソーセージに、いかにもギークの悲哀さが投影されていて泣ける。

コルベス様

集団でコルベス様の屋敷に押し入り、皆殺しにする話。本当にただそれだけ。
石臼が登場するところからしても、さるかに合戦の後半部分だけを取り出したような話だが、コルベス様がどれほどの悪人なのかという前半部分がまったく描かれてないので、不条理な殺戮だけがただ展開される。
しかもこれが原作に忠実というのだから……本当は怖いグリム童話

めんどりはなぜ死んだのか

これも「小ネズミと小鳥と焼きソーセージ」に引き続き諸星流のどシュール世界。
クルミで美少女フィギュアを作るとか、もうわけわかんない。
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藁と炭とそら豆

一応ミステリ仕立て。
あとがきで「事件の当事者たちが藁と炭であるという特徴を活かしたトリックは、まだ誰も書いていないのではないだろうか」と述べているけど、そりゃそうだ。

とりかえっ子の話

つまんねえ……どうってことねえや