澁澤龍彦「黄金時代」

荒俣宏高山宏の対談でも、澁澤龍彦といえばこの本だよね的な一冊として話題に上っていた本。小粒ながらも目配りの利いた、澁澤龍彦らしいエッセイが揃っている。
また、三島由紀夫への言及を交えながら、普段ならほとんどしないであろう現代批評なんかも(しぶしぶながら?)行っている。

たとえば「万博を嫌悪する」では、すでに成立してしまったユートピアユートピアではないという、ひっくりかえした万博批評を展開している。さすがにフーリエが好きなだけあって、目の付け所が面白い。

他にも、バビロンの架空庭園論、ユートピア論、幻想文学論をはじめとして、バルトルシャイティスキルヒャーバタイユ、等々と澁澤龍彦節全開という感じ。澁澤龍彦は必読の一冊と言えるだろう。
すでに絶版なので、今なら全集に収録されているのを求める方が手っ取り早いかも。

Amazonだと澁澤龍彦の名前が不統一なので、探すのが大変