道尾秀介「向日葵の咲かない夏」
最近、ミステリをチェックするのが億劫になってきている。そんなわけでtaipeimonochromeさんに頼り切り。
紹介されている中で、不條理から論理へ、というキャプションで紹介されていた「向日葵の咲かない夏」というのが気になったので読んでみたところ、大当たりでした。
→http://blog.taipeimonochrome.ddo.jp/wp/markyu/index.php?p=554
それにしても本当に粗筋を説明できない小説だ。ネタバレを避けつつ、粗筋紹介や批評をするのは、この小説を書く以上に難しいかもしれない。読み終わったからこそわかるtaipeimonochromeさんの粗筋紹介の見事さ。たぶんこれ、ギリギリの線です。
読み始めると、あまりにへんてこりんな設定が次々と出てきて、ミステリとして成立するかどうか不安になるが、ちゃんと一回転半ひねって着地する。それも極めて論理的に処理されているのだから驚きだ。
読了後は熱に当てられたようになってしまった。ただ冷静になって考えてみると、何カ所か納得のいかないところが何点ある。どうしてもコレ系の作品は偶然に頼りすぎている部分ができてしまうのだろうか……
とはいえラストの展開とその衝撃はもの凄いので、ミステリ好きの人には文句なくオススメだ。