神は死んだが、なにか?(ニーチェ「ツァラトゥストラ」)

数年前のある日、突然、哲学をやろう!となぜか思い立った。
学校ではデカルト止まりだったものだから近代哲学はさっぱり。とりあえずニーチェでも読んでおけば良いんじゃないの?という安直な気分でツァラトゥストラを買ってきた。(いま思えば、それくらいしか近・現代の哲学者を知らなかったわけだ)

しかし、この選択は結果として間違っていなかった。
読む前は恐れをなしていたのだが、これがまた名言、格言のオンパレードで、たまらなく面白いのだ。
アカデミックな人々にしてみれば大変失礼な読み方なのかもしれないが、今読み返してもニヤニヤ笑いが漏れてしまう。
そんなニーチェ語の数々を御覧戴きたい。

  • ああ、嘔気嘔気嘔気
  • 否、否、三度
  • 今が時だ、時でありすぎる!
  • これが生だったのか。よし、それならばもう一度!

あえて奇書カテゴリーにしているのは、思想書というより奇書として読んだからだ。
どんなに高尚な哲学だって、ある種、芸というかエンターテイメントの部分が少なからずある。
扇情的でインパクトのある名言は歴史に残り、同時に人々の記憶にも残る。
   「神は死んだ」
なんて素晴らしいキャッチフレーズ!

訳は手塚富雄に限ります。

追記

ちなみに「神が死んだ」のは、神(ゴット)と死んだ(トート)が韻を踏んでいるからなんじゃないだろうか、と半ば本気で考えている。ニーチェは哲学者である以前に詩人なのだし。