埼玉県立近代美術館「シュルレアリスム展」

シュルレアリスム展」目的で行ったところ、丁度、靉嘔による市民講演会があるとのこと。受付に聞いたら30分くらいだというので、特に興味はなかったんだけど参加することにした。
なかなか話し好きな人で1時間以上語っていたんだけど、聞き始めたらことのほか面白かった。FULX-KITというトランクに詰め込まれているフルクサスのメンバーの作品集の紹介が特に面白く、ナム・ジュン・パイクの無限映画など、逸話を交えての楽しい講演だった。
ちなみに靉嘔(あいおう)という名前は「あいうえお」の中かから、好きな文字を聞いてまわり、人気がある順から並べたとのこと。要するにSHAZNAみたいなものか。靉はできるだけ難しい漢字を当てて、嘔はサルトルの「嘔吐」からだそうだ。

さて「シュルレアリスム展」の方は恐ろしく豪華な面子が勢揃い、これは見ないと絶対後悔する。
とりあえず気に入った作品だけ列挙。

  • マルセル・デュシャン「グリーンボックス」:かの有名な作品との対面に、ただ感動。大ガラスに、チョコレート粉砕器。天才の発想と技である。
  • マン・レイ「デコラージュ」:コラージュに対してデコラージュ、なるほど。
  • イヴ・タンギー「大航海」:大友克洋にも通じるカステロフィリアの系譜がここにもあった。
  • ポール・デルヴォー:前に見た作品よりもだみこみが上手くなってるな、と思ったら後半のギリシャシリーズはやっぱりだみこみが甘い。というか絵も下手になってないか? それでもデルヴォーは大好きです。
  • ルネ・マグリッド「現実の感覚」:本展のポスターになっている作品。これぞマグリッドという圧倒的迫力である。マグリッドの作品はタイトルも面白い。
  • ケイ・セイジ「稲妻の巣」:実はこの人のことを知らなかったんだけど、徹底的に生命を排した廃墟感がたまらない。タンギー奥さんだそうです。
  • マックス・エルンストオイディプス」:オイディプスが可愛すぎる。

ちなみにハンス・ベルメールの作品の飾ってある場所がわかりずらいので、注意して鑑賞した方がよいだろう。
次回の企画展は「澁澤龍彦―幻想美術館―」とのこと、またも見逃せない。