今野緒雪「マリア様がみてる クリスクロス」

誕生日にして今年最後のエントリーは去年と同じくやっぱこれ。別にわざわざこの日にあわせたわけではない。新刊チェックをしそこねたため、買うのが遅れてしまっための不可抗力である。

今回は宝探し大会。微妙な謎が提示される前編と、微妙な謎解きが行われる後編という「アフリカの印象」方式になっている。
前編は宝探し大会を行う「クリスクロス」では、カードの隠し場所の謎と、それを探す生徒たちのそれぞれの動きが描かれる。後編の「地図散歩」では時間をさかのぼって、その仕込みを行う話。
前後編ともに、明白に謎が証されることもなく、ものすごくわだかまりが残る。かといってつまらないわけではなく、ここ最近の作品のなかでも良くできている作品だ。
これは単純に、作者の力量によるもの。この刊行速度で、このスペックはたいしたものだ。蓄積されたキャラクタのパワーというか霊力が作者に宿っているとしか思えない。

というか、とりあえず露骨に未完結なので、早く次刊を!

ちなみに、あとがきにゴロンタの制作秘話があって、これがなかなか面白かった。

余談

重畳って好都合なことを意味するのか……我ながら日本語知らなすぎ。重畳なんて積分の時にしか使わないよ。

余談2

6文字目が見つからないんですけど……