今敏「パプリカ」

一言でいうと、デブでノロマでも、天才なら大丈夫という話。ちがうか。

夢に潜り込む装置が盗まれて、悪用されるというストーリー。どんどんと欲望がむき出しになってゆくところが見所か。
夢の扱いは、フロイトユングを足したような感じ。抑圧された無意識の投射という意味ではフロイト派だし、壮絶なヴィジュアルイメージはユング派といえるだろう。それだけにフロイトお得意のリビドーがどうの、というのはあまり出てこず、むしろ妄想大爆発の世界観。といっても、いわゆるフロイト的な夢解釈によるミステリも少しはある。

まあストーリーよりも映像を楽しむ映画なので、DVDを待つより劇場で楽しんだほうがいいだろう。平沢進の音楽もピッタリなんで、こちらを大音響で聞ける楽しみもある。

あまりお子様向けとは言えない内容だと思うんだけど、小学生ぐらいの女の子がキャッキャと笑って喜んで見ていた。
要するに内容が全く理解できなくても面白い映画ってことなんだろう。