キェルケゴール「死に至る病」

有名ですね、主にエヴァとかで。
かなり前に買って、ある程度主旨を押さえたところで読むのをやめていたので、今回は最初から改めて読んだ。
死に至る病」とは絶望のことである、というわけで絶望論。
簡単に主旨をまとめると、キリスト教的には死んでも行いが正しければ天国へ行けるので、一番ヤバイのは絶望なんだよ!という感じ。これを一応論理的に分析している。

哲学はニーチェから入った人間としては、神の死以前のキリスト教ベースの語り口はちょっとつらいものがある。それでも中には名言っぽい語りが数多く出てくるので、神の死以後の我々としては哲学ってよりは文学みたいなもんだと思ったほうが良いのかもしれない。

実存哲学の祖と呼ばれているけど、実は私、実存主義ってのがよくわかってない。とりあえずオレオレ言ってればいいのかしらん?
ちなみに本書には「自己」という言葉が千回以上は出てくるから、そういう意味ではバリバリ実存主義だ。

あとドイツ語訳からの重訳なので、ちょっと読みづらいのが難。おそらくもともとひねくれた文体なのだとは思われるが、それが一層ひねたものになっている。Amazonのレビューとかによると、ちくま文庫版を読んだ方がいいらしい。

余談

キェルケゴールは元々ドイツ語でいうなればKirche+Garten、つまり教会の庭や寺屋敷という意味があるらしい。なので先祖が寺屋敷に住んでいたのだろう。
というかキルシェって教会って意味だったのかと今頃知る。

どうでもいい話

これを読んでいる間、考えていたこと。
岩波文庫には五色あるから戦隊モノができることに気づいた。巨大ロボは広辞苑でどうでしょう。