R・A・ラファティ「宇宙舟歌」
えー、始めてラファティを読みました。
なんなんですか、これは! 悪ふざけもいい加減にしなさい!(笑)
ホメロスのオデュッセイアを下敷きにした未曾有のスケールで描かれた宇宙冒険譚。同じくオデュセイアをモチーフとしているジョイスのユリシーズとはある意味180℃異なる作風である。
メチャクチャというよりはハチャメチャという感じ。
まず連想したのがナイジェリアの奇才チュツオーラの小説なんだけれども、チュツオーラがどちらかというと天然であるのに対して、ラファティの場合はかなり理知的に計算して書いているようだ。
たとえばバークリーがらみの哲学談義を読んでいると、それがありありとわかる。畜生、インテリジェンスだぜ、こいつは。
とりあえず、もう何個か読んでみないとラファティの小説を把握できそうにない。とにかく噂通り変なヤツってことはわかった。
ちなみに各エピソードに挿入される宇宙舟歌が要約というか寸鉄歌となっている。しかもこれ、ちゃんと脚韻を踏んでいて、訳者の意気込みが伝わってくるかのようだ。
余談
国書の未来の文学シリーズ第一期をようやく読破。これで第二期に入れます。