ダグラス・アダムス「銀河ヒッチハイク・ガイド」

映画化のおかげで待望の新訳復刊を果たしたSFコメディの傑作。

とりあえず、銀河バイパスの建設のためにあっさりと地球が消滅するところから始まる、この小説。最終的には人類の存在意義というとんでもなく高尚なテーマにも接近するのだが、基本はコメディ、ネタ満載だ。

個人的にはディープ・ソート(なんて名前!)の話題が出てくるあたりが一番面白かった。
ディープ・ソートと共に挙がるコンピュータの名前が「マクシメガロンの十億巨大脳髄(ミリヤード・ガルガンチュブレイン)」とか「大超脳葉全知中性子雄弁者(グレート・ハイパーロビック・オムニコグネート・ニュートロン・ラングラー)」とか、ネーミングセンスがフランソワ・ラブレー
そんなディープ・ソートは究極の問いに答えてくれる。これはちょっと前にgoogle先生が答えてくれるということで話題になったアレです。
google:人生、宇宙、すべての答え
なぜ、こういう答えになるのか知りたい方は解説を読んでください。

そして人類の存在意義という大ネタは、なかなかに壮絶で、ちょっとグレッグ・イーガンっぽい。でもそんな壮大なスケールの話も、日常的なスケールの話もごちゃ混ぜになってコメディタッチで描かれてるところが、この本の良いところだ。