V・S・ラマチャンドラン「脳のなかの幽霊」
著者、ラマチャンドランは世界で初めて幻の腕の切断手術に成功した医師だ。
事故で失われた腕が、あたかも存在しているかのように感じる幻肢は、ときに激しい痛みを伴う。見ることもできない腕をどうやって治療すればよいのか?
ラマチャンドランは鏡を使った簡単な装置で、視覚にフィードバックさせることで回復させることに成功した。
本書で考察されるのは以下の症状である。どれも想像を絶するような奇妙な症状だ。
上記の項目のうちひとつでも気になる項目があるならば、本書を読む価値はある。
また紹介される症状以上に興味深いのがラマチャンドランが研究する手法だ。推論と独特のひらめきから仮説を立て、それを簡単な実験で確かめる。それをまるで名探偵の手腕で行う。
ユーモアたっぷりの文章と名推理、上質のミステリの面白さが本書にはある。
とにかく面白いので、ネタを仕入れる軽い感じで読んでも大丈夫です。