「兎をめぐる十二の物語」

1987年に卯年の記念として編まれたアンソロジー。おもに物語ときどき随筆、テーマはひたすら兎という不思議な味わい。ついでに容赦なく絶版である。
執筆陣は……

という豪華な布陣、そして普段はあまり小説を書かない人が書いていたりするところが面白い。
まあファンアイテムというところは否めないが、執筆者自身や、執筆者の身内による兎の絵が寄せられており、ある意味徹底している。特に矢川澄子の「兎」の字が見事だった。
ちなみに「兎の字」という表現は、兎と免が似ていることから「免職になること」の意味があるらしい。
こんな具合に、これを読めば当分兎の蘊蓄には困らなくなりますよ。

高山語

高山宏の文体といえば独特の言葉遣いと、こだわりのルビに特徴がある。今時、「族」のルビとして「うから」なんて振ってるのは高山宏陰陽座ぐらいのもんですよ。
そして、今回見つけた高山語はこれ!

伝説妄譚(およずれごと)

広辞苑を引くと、本来はこんな漢字だそうで。

妖言(およずれごと):他を惑わすことば。いつわりごと。