ジェラルド・M・エーデルマン「脳は空より広いか」
ノーベル賞受賞科学者によるクオリアとか、意識とか、いわゆる心脳問題を取り扱った本。
詩的なタイトルでありページ数もそれほどないが、中身はガッツリ理論的なので気軽には読めない。
結論からいくと大変示唆に富む内容ではあるのだけれど、自分の理解がともなっていないせいか納得のいかないことが多かった。
本書の中核はダイナミック・コア仮説を使った意識現象の説明だ。しかし随伴現象説との決定的な違いがよくわからなかった。これって一段噛ませた随伴現象説に思えるんだけど……自分の理解が足りないせいですかね……
最終章にでてくる、今後の予想めいた部分が面白い、と同時にハードプロブレム解決までの道のりはまだまだ遠いのだなあと実感してしまった。
脳は空より広いか―「私」という現象を考える
posted with amazlet at 09.04.26