2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

夏目漱石「草枕」

twitterで高校生たちが夏目漱石を読んでいたことに影響されて、ずっと積んでいた草枕を崩しにかかった。 実は漱石は、トリストラム・シャンディの批評と夢十夜くらいしか読んでおらず(なんという偏り!)、あとは坊っちゃんを朗読で聴いたくらいなので、文…

「限りなき夏」

買い忘れていたので購入。 巻末に「短編小説の快楽」の告知が載っていた。早く出て欲しい。限りなき夏 (未来の文学)posted with amazlet at 08.05.30クリストファー・プリースト 国書刊行会 売り上げランキング: 1878Amazon.co.jp で詳細を見る

石井義長「阿弥陀聖 空也」

GWはソワカちゃんの影響で六波羅蜜寺に行ってきたこともあって、まあクーヤン空也上人ラブなわけです。というわけで読んでみた。空也上人の主張は簡潔だ。 いかなる人間も、ただ南無阿弥陀仏と唱えるだけで極楽に行ける。 なんと分かりやすいスローガンであ…

村井則夫「ニーチェ――ツァラトゥストラの謎」

この内容の濃さ、そして突っ込みの方向と度合い、もはや新書ってレベルじゃない。 本書は、哲学書としてのツァラトゥストラを解読するというよりは、むしろ悦ばしき知恵としてツァラトゥストラを哲学書以前の神話的小説として読み解こうという本だ。それだけ…

護法少女ソワカちゃん 電奇梵唄会「本朝OVER THE RAINBOW縁起」

信者のみなさんはすでにごぞんじかと思われますが、護法少女ソワカちゃんの上映会が決定しました。めでたい限りです。 わたくしも1ファンとして、雨が降ろうが槍が降ろうが、コンビニ弁当が不味かろうが、炊飯ジャーの中身が空っぽになっていようが駆けつけ…

ピナコテーカ・トレヴィル・シリーズ

不意にカルロ・クリヴェッリの画集がほしくなった。 以前、どこかの美術館の図書館で見たことはあったのだが、あの筆舌に尽くしがたい美しい描写をもう一度見たくて、たまらなくなったのである。 しかし入手困難なピナコテーカ・トレヴィル・シリーズのなか…

フランク・ダラボン「ミスト」

方々の噂に乗せられて見て参りました。いやあ、酷い映画だった。良い意味で。どこからがネタバレになるのかわからないが、思いつくままに書いてみたい。 この映画は、濃霧の中に何かがいる!という未知なるものへの恐怖と、人間の心の中に潜む不気味なるもの…

イアン・ディアリ「知能」

知能とはなんなのか? その指標の中でももっとも普及しているIQについての本。 考えさせられる読み物というよりは、統計データや一般的情報を淡々と記述した資料的な内容になっている。遺伝と環境とどちらが相関関係があるのか、という問題から、IQが年々向…