種村季弘「天使と怪物」

種村季弘の対談集。ラインナップは以下の通り。

種村季弘の対談集は他に二冊(未読です)あるが、その中でももっとも豪華メンバーであるかと思われる。かのホッケ先生もいるしね。

インタビュー形式のもあるため、やや硬い作りでアカデミックな仕上がりになっている対談も多い。しかし、そこは種村季弘である。合田佐和子山口昌男の対談ではとても気さくな一面を見せており、実にほほえましい感じだ。

意外に面白かったのは手塚治虫との対談である。正直、手塚治虫にはそれほど興味がなかったのだが、アニメや漫画の作り方を歌舞伎やシェイクスピア演劇などと比較しており、大変興味深い内容になっていた。手塚治虫がクリエイター的な視点だけではなく、ディレクター的な視点からも語っている。やはりパイオニアというのは色々考えているものだ。

また注釈がビッシリとついているのはありがたいのだが、少し杓子定規というかありきたりな注釈になってしまっているのが残念だった。

余談

池内紀との対談のタイトルが「華没」なんですけど!