東京国立近代美術館(アジアのキュビスム展)

まずはピカソとブラックがお出迎えしてくれる。だがメインはアジアだ。面白いことに、展示空間もキュビスム的に構成されている。

個人的にはキュビスムというと、あの独特の暗さが好きなのだが、インドとかインドネシアとかの作品は妙に明るくてどうもなじめない。その中でもフィリピンだけはキリスト教な国だけあって、カトリシズム的な陰鬱さを湛えていた。特にヴィンセンテ・マナンサラが素晴らしかった。

絵画は当然、視覚にアピールするものだが、キュビスムの絵画を見ていると、視覚を超えた何かを指向しているように思えた。キュビスムは非常に音楽的である。一流の芸術というのは実はモダリティの壁をそれほど問題にしないのかも知れない。

ついでなので常設展も一通り鑑賞。こんなところにルソーの本物が!