山田風太郎「誰にもできる殺人」

山田風太郎の傑作ミステリ。どうもミステリのあらすじをまとめるのが苦手なので、Amazonから引用する。

アパート「人間荘」16号室の押入れから一冊のノートが発見された。そこには、その部屋に住んだ代々の住人が書きついだ人間観察、人間荘で起きた6件の犯罪―錯覚による殺人、出来心による殺人、善意による殺人、怠慢による殺人、正当防衛による殺人、口ふうじのための殺人―の記録が綴られていた。何故に、ひとつのアパートを舞台に住人たちの間で連鎖犯罪が起きたのか?その背後には恐るべき真実が…。

江戸川乱歩の「赤い部屋」のような偶然を装った殺人であるとか、叙述トリックめいたものであるとか、アリバイ殺人など、さまざまなネタがこれでもかと贅沢に投入されるので、読んでいてまったくあきない。ジェットコースターでお化け屋敷を駆けめぐるかのような疾走感と興奮を味わえる一冊だ。

しかも一癖も二癖もある登場人物が、いちいちキャラがたっていて申し分ない。まあ兎にも角にも志賀悠子に激萌えってことでいいんじゃないでしょうか。異論は認めませんよ。

余談

カバーイラストは山本タカト。登場人物がほぼ網羅される形で描いてあって、誰が誰かは読めばわかるはず。
こちらも中央の志賀悠子に萌える趣向ですね。