これまで読んだのをまとめだし part2

月曜日に書こうと思ったら、胃腸炎でずっとダウンしておりました。
取り急ぎ書かないと本を片付けられないので、がんばる。

アルバート・ラズロ・バラバシ「新ネットワーク思考」

ある規模のネットワーク構造は、それが人工であるか自然であるかにかかわらず、抽象的には非常によく似た構造を持っているということを明らかにする内容。革新的なことが書かれているわけではないが、まったくスケールの異なる構造を同一のものとして捉えられるようになるという意味でワクワクしながら読めた。

新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く
アルバート・ラズロ・バラバシ
NHK出版
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三中信宏「分類思考の世界」

@thinkeroidに薦められて読んだ一冊。著者は専門的な研究をしていながらも、古今東西の学問を結集させて格闘しようとしている西垣通的な知の巨人で、そういうテイストが好きな自分にはドンピシャであった。
自分もアスタルテ書房に行ったときに目にとまった金子國義の『メトニミー』が出てきたり、金子みすゝとアグリッパを比較して見せたりと、驚異が沢山詰まっている。
カバーを外して裏を見ると、まさかのジョルダーノ・ブルーノ『イデアの影』の図像にシビレル!

三中信宏系統樹思考の世界」

「分類思考の世界」の前に出版された対となる一冊。
前々から興味を持っているアブダクションが重要なタームとして扱われている。個人的には三段論法の話から説明した方がわかりやすいかなと思ったりもした。
両書共に、ややテーマが散漫としがちだったりするが、図像も多く、読み応えはある。
ちなみにカバーの裏はみんな大好き『セフィロトの樹』。

長山靖生「人はなぜ歴史を偽造するのか」

義経ジンギスカン説のようなものがなぜ人々に受け入れられてゆくのか?
自分探しとして始まるひとりの人間の妄想が、奇妙なかたちで広がってゆくさまを描いている。高橋哲哉『歴史/修正主義』を思い出した。
こうして偽史をひもときつつ、歴史教育愛国心を同時に語る危険性について論じているのは、なるほど納得がいく。

人はなぜ歴史を偽造するのか (光文社知恵の森文庫)
長山 靖生
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加藤耕一「「幽霊屋敷」の文化史」

各地にある幽霊屋敷の話かと思ったら違った。ディズニーランドにある『ホーンテッド・マンション』の紹介から始まり、こういうものができた理由=ゴシック小説の歴史をひもとくという流れ。
ゴシック小説うんぬんに関しては、よくある内容なので、高山宏小池滋の本にあたったほうが詳しいだろう。ファンタスマゴリアについての記述に関してはやや目新しさがあったか。
ディズニーランド『ホーンテッド・マンション』の構造解説は大変面白く、現物をみなくてもよいレベルであった(笑)