宮澤淳一「マクルーハンの光景 メディア論がみえる」

いわずとしれたみすず書房の理想の教室シリーズの一冊。このシリーズ良書揃いであるが、本書も入門書としても復習がてらに読むにしてもよくできている。

「ホットなメディア」「クールなメディア」や「メディアはメッセージだ」から「メディアはマッサージだ!」まで、突飛な用語で人を煙に巻く印象のあるマクルーハンを的確に要約し、かつわかりやすくまとめてある。

個人的に面白かったのはジョン・レノンとの対談や、現代アートとの関係性だ。それらは今日的な問題の連なりのひとつであり、インターネットの隆盛に伴ったマクルーハン・リヴァイバルともいえる今へなめらかに接続してくれる。

何がメディアなのか、すべてはメディアだというのか?
そういうことを考えるヒントとして、まずは本書をとってみるのは悪くない。マクルーハンの原典をいきなり読むのは、けっこうしんどいからだ。