マリアの心臓「少年愛の美學展―第二部―」

少年愛の美学とは稲垣足穂のエッセイのタイトルだ。このタイトルに引っ掛けて、以前には少女愛の美学という展示が行われていたが、原点回帰で少年をテーマにしている。
今回、偶然にも三浦悦子さんが新作を搬入しに来ており、いくつか話をうかがうことができた。

私自身は少女とも少年ともつかない作品(今回だと人形)がとても好きだ。両性具有的というよりは中性的無性的な顔つきに惹かれる。また恋月姫の人形などは、少年と題されていなければ少女に見える。等身大の天草四郎の人形にもどこかしら少女の面影がある。
そこで、人形になぜ性別が必要なのかという質問などをして、人形の性に関していろいろと意見を伺うことができた。
三浦悦子さん的には少年人形を作っていたとしても、どこかしらで少女のイメージで作っているとのこと。やはり自分の似姿を写し取るからだろうか? といっても三浦さんの人形は通常の人形とは少し異なっていて、よりオブジェ的なので、他の作家にはまたそれぞれの意見があるのだろう。

個人的には少年愛とも少女愛とも離れた、性別をまったく意識せずに作られた美しい人形を見てみたいと思っている。