「第二回 monado nite 前半」

21:00〜0:30位までの流れです。

  • ウォルター・J・オング「声の文化と文字の文化」

まず今回のテーマとなるのが音声文化から文字文化への変遷。非常に衝撃を受けたバイブル的な一冊。
声の文化と文字の文化

で、メディア論といえば、言わずと知れたマクルーハン
マクルーハン理論―電子メディアの可能性 (平凡社ライブラリー)

マクルーハンといえばやっぱこれなんじゃないかな。これから読むんだけど、勝手に内容を想像して紹介。たぶんそんなに間違ってなかったはず。
グーテンベルグの銀河系 (1968年)

グーテンベルグインパクトのひとつとして、マスメディアがある。マスメディア文化がなければ、近代国家はありえなかった!
想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (ネットワークの社会科学シリーズ)

  • フリードリヒ・キットラー「グラモフォン・フィルム・タイプライター」

蓄音機、映画、タイプライターといったテクノロジーが文学に大きな影響を与えた。
実はこちらもこれから読むところ。
グラモフォン・フィルム・タイプライター〈上〉 (ちくま学芸文庫)グラモフォン・フィルム・タイプライター〈下〉 (ちくま学芸文庫)

  • 丹治愛「批評理論」

で、ここから批評理論の流れにもってゆこうと思ったんだけど、あんまり解説しなかった。
知の教科書 批評理論 (講談社選書メチエ)

この本とかも出すには出したんだけど、あまり紹介しなかった。そのへんはまた次回に。
批評の解剖

批評理論を語る上で言語論的転回や構造主義の説明は欠かせないので、まずこの本を使ってレヴィ=ストロースの業績を簡単に説明した。
はじめての構造主義 (講談社現代新書)

構造主義の始祖となったのはソシュールだけれども、手元にあったのがこれだったので、出してみた。内容は紹介してない。
ソシュールのアナグラム―語の下に潜む語 (叢書 記号学的実践)

このへんでまた文学理論に流れを戻そうとする。おおまかな流れを理解できる本。
現代文学理論―テクスト・読み・世界 (ワードマップ)

  • ジョナサン・カラー「文学理論(1冊でわかる)」

それより文学理論初心者は、まずコレを読んだ方がよい。参考文献もそれなりに載ってるし。
文学理論 (1冊でわかる)

  • ヴィクトル・シクロフスキー「散文の理論」

文学理論の話で、まず印象批評を批判するところから始まり、ロシア・フォルマリズムにはいってゆくんだけど、その成果のひとつ。
散文の理論

  • ローレンス・スターン「トリストラム・シャンディ氏の生活と意見」

要望もあって、ここでトリストラム・シャンディの紹介。マーブルページ、ブラックページ、ホワイトページ、そして脱線のグラフなどを実際に見せながらのレクチャー。やっぱりトリストラム・シャンディは楽しい!
個人的には綱島窈の翻訳の方がはっちゃけていて好き。
トリストラム・シャンディ 上 (1) (岩波文庫 赤 212-1)
トリストラム・シャンディ 中 (2) (岩波文庫 赤 212-2)
トリストラム・シャンディ 下  岩波文庫 赤 212-3

  • カール・リーハ「ダダの詩」

文学理論の話を続けようかと思ったんだけど、当初話そうと思っていた詩の話を思い出し、そっちに切り替える。日本は詩=自由詩というかたちで教わるので、詩が正統に評価できない土壌がある。本来的には形式的な詩があって、始めて自由詩が存在する。詩はどれだけ自由になれるのか、ということでダダイズムの詩を取り上げた。
ダダの詩

「ダダの詩」とあわせて、変な詩が紹介されている本といえば、やっぱりこれ。
ナンセンス詩人の肖像

  • エリザベス・シェーエル「ノンセンスの領域」

ノンセンス研究といえばシェーエルの議論はとても面白い。著者がもともと数学をやっていたところもキモ。論理がないのがノンセンスなんじゃなく、いきすぎた論理がノンセンスなのである。
ノンセンスの領域

  • ジャック・ブーヴレス「アナロジーの罠」

ここで視聴者からの指摘もあって、数学的な領域のアナロジーを利用して文学的な領域を説明する危険性を簡単に説明。アラン・ソーカルの「知の欺瞞」なんてメジャーなのもあるけど、分析哲学者が書いた本書も重要だ。
アナロジーの罠―フランス現代思想批判

  • 和田敏英「スウィフトの詩」

ここで詩がそもそも心情を描き出す叙情的なものだと思っているかも知れないが、事象をそのまま描いた叙事詩というものもあったんだよということで、スウィフトの詩を取り上げた。スカトロジカルな「女の化粧室淑」もこれに載っている。
スウィフトの詩

  • 池上高志「動きが生命をつくる」

ここでちょっと話題を転換して、個人的に話したかったことをずらずらと。
動きが生命をつくる―生命と意識への構成論的アプローチ

  • ウィリアム・パウンドストーン「ライフゲイムの宇宙」

その流れで。まだ読んでないんだけど。
ライフゲイムの宇宙

そんなこんなでチューリングマシンチューリングテストについても議論した。
チューリングテストが出てくるもともとの論文はとても変な論文で、そもそもチューリングテストも男女が判定できるかというところから始まる。他にも超能力があった場合についても考えていたりする。興味のある人は一度読んでおくと良いだろう。
Computing Machinery and Intelligence (計算する機械と知性)


とりあえず前半ここまで。