萩原恭次郎「死刑宣告」

最近Wikisourceなるものの存在を知った。
青空文庫にくらべるとまだまだ量は少ないが、萩原恭次郎の「死刑宣告」がすべて電子化されているのに感激したので紹介しておく。
死刑宣告 - Wikisource

私は詩はそれほど感心があるわけではない。というより「詩は原文で読まないと駄目だよね」主義でいくと日本語しか使えないので、なかなか視野を広げられないところが壁になっている。なので、今のところ阿部日奈子、加藤郁乎、萩原恭次郎ぐらいしか押さえていない。
前にhttp://www.leibniz.co.jp/~monado/js/analyze.htmlで「装甲弾機」を使ったんだけど、「死刑宣告」は本当にヤバイ詩集だ。

どの詩でもいいから一読、いや一見してもらえればそのヤバさがわかってもらえると思う。特にキテるやつを紹介しおこう。

見た目の衝撃に驚かされ、また語彙の迫力に目眩く。それが字の固まりとは思えないほどにグロテスクで、80年近く前に出版されたとは信じがたいほどにパンキッシュだ。
この得体の知れないパワーの正体はなんなのだろうか?

萩原恭次郎という恐らくはマイナーな詩人の作品が、誰でも読むことができる場所にあるというのは、大変ありがたいことである。ただWikisourceも相当に頑張っているんだけど、「死刑宣告」のタイポグラフィはやはり書籍の方がインパクトが強いのは否めない。ぜひ一家に一冊「死刑宣告」。

柳瀬正夢等の作品なども載っていて、なかなかに見応えがある。

余談

実は、萩原恭次郎を知ったきっかけは「KEY THE METAL IDOL」だったりする。
14話で 「地底の鉄管から朝は手を手を上げる」が引用されている。

余談2

「詩は原文で読まないと駄目だよね」主義でいくと日本語しか使えない、と書いたけど、自慢じゃないが原文で読んだ詩もあるよ。クルト・シュビッタースの「12」って詩だけど……
http://www.peak.org/~dadaist/Deutsch/Graphiken/zwoelf.html