若桑みどり「イメージを読む」

若桑みどり「美術とジェンダー」(レオノール・フィニ展の講演) - モナドの方へで購入した本。サイン入りでございます。

千葉大学で行われた美術史の講座を要約したもので、パノフスキーに代表されるヴァールブルク派のイコノロジーを用いて有名な絵画を解釈してゆくという内容になっている。

すでに、絵画を読む―イコノロジー入門放送大学の教本であるイメージの歴史を読んでいたので、復習がてらに読んだ。

主に分析されるのは以下の四人の絵画である。

  1. ミケランジェロシスティーナ礼拝堂の天井画」「最後の審判
  2. レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」「最後の晩餐」「岩窟の聖母」
  3. デューラー「メレンコリアI」
  4. ジョルジョーネ「テンペスタ」

いろいろ読んでごちゃごちゃになっていた頭を整理するにはちょうど良い内容になっていた。やっぱイコノロジーは面白いね。と思っていたらあとがきにこんなことが……

またいいにくいことですが、ほんとうに研究しようとしたら、じつは日本語ではできません。――中略――ほんとうをいえば、英、独、仏、伊語は最低必要と考えていいと思います。

ぎゃふん。

とまあ、本格的に研究したい人はさておき、イコノロジーは気になるんだけど、いきなりパノフスキーじゃきついっス、という人は、とりあえずこの本からどうぞ。

メモ

年号を覚えるのが苦手なので、本書で示されていた美術様式の区分をメモしときます。
学説によって違うと思いますが、参考まで。


ルネサンス
 1520年(ラファエロの死)
マニエリスム
 1585年頃
バロック
 1715年(ルイ十四世の死)
ロココ