ブルーノ・シュルツ「肉桂色の店」

ゴンブロヴィッチのコスモスと併録されていた、ポーランドの作家シュルツの作品。
コスモスのインパクトがあまりに強すぎて、いい加減に読んでしまった。

劇的なストーリーがあるわけではないが、父親がアブラムシや剥製のコンドルに変わったりする。ちょうど、ガルシア=マルケスのマジックレアリスムとカフカの不条理の中間に位置するような作風であろう。
読んでいて思い出したのが、中国の作家、残雪(ツァンシュエ)だ。母親が石鹸水になっちゃったりする。
政治的な暗喩になっているところも似ているんじゃないだろうか。

昨日の「コスモス―他 東欧の文学」にも載ってますが、こっちにも。
クエイ兄弟「ストリート・オブ・クロコダイル」の原作もあり。

残雪と言えばこれ!
「どんな希望も、すべて罠だ」 甲羅をつけた昆虫の父。服の中身は冷凍肉の母。茶碗を食べる妹。天井に貼り付いている婚約者。異形の家族の秘密の物語の果てに何を夢見るか。鬼才・残雪の不思議文学。