佐藤雅彦「クリック」

ひらめきを純粋にテキスト化した、文字通りの超・短編集。
超は「とっても短い」って意味でもあるし、「短編を超えている」という意味でもある、のだろう。
サクッと読めるが、実は結構奥深い。ひねりの効いた一コマ漫画という感じだろうか。
気に入ったというかハッとさせられたのは、漱石の「吾輩は猫である」の冒頭を「漢字」と「ひらがな」別々のページに印刷した、その名も「分離」という超・短編。画面のレイアウトと、そこからにじみ出るセンス&ノンセンスが、ウリポというかレーモン・クノーに近いセンスを感じた。

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本書収録の「アルデンテの唄」は以下のサイトから聞けます。
http://www.masahicom.com/click/
とても小気味よいメロディーですが、いきなり7/8になるあたりがプログレ