2008-06-08から1日間の記事一覧

アンナ・カヴァン「氷」

美しく硬質な文体で描かれる世界は、ゆっくりと氷に覆われつつあった。そんな世界崩壊の兆しと、少女への憧憬、そのイメージが繰り返し繰り返しスパイラルを描きながら収縮してゆく黙示録。序盤こそ、オールディスの解説にあるようにキリコの「エブドメロス…